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講談の演目

北斎と文晁ほくさいとぶんちょう

芸道物一席物義理人情情け細工職人役者江戸実説

散らかった長屋で名優と口論になった葛飾北斎を、友人の谷文晁が取り持ち、絵を売った金で救う一席。

一席物(一話で完結する話)。系統は芸道物(役者や芸人の話。役者伝ともいう。)

あらすじ

本所割下水の棟割長屋に住む葛飾北斎は生来の変わり者で、金に頓着せず、その日の暮らしにも事欠く有様だった。ある年の暮れ、絵の依頼に三代目尾上菊五郎が駕籠で訪ねてくるが、家の中は塵と埃だらけで座る場所もない。毛氈を畳に敷いたことが北斎の気に障って口論になり、菊五郎は帰ってしまう。

北斎には谷文晁という友人がいた。かつて将軍家斉に二人が召された折、北斎は唐紙を広げて大きな刷毛で川を描き、足に朱を付けた鶏を放って、紅葉が川に浮かんでいるように見せた。その思いつきに将軍も文晁も感心し、以来親しく付き合っていた。

その文晁が、菊五郎は春の狂言の舞台絵を頼みたく、無礼を詫びたいと言っていると伝えに来て、大晦日に三人が集まることになる。仲直りした北斎は芝居に誘われるが、手ぶらでは行けないと火鉢と布団を売って祝儀をこしらえ、家に暖がなくなって風邪をひく。金を置いても喜ぶまいと考えた文晁は、女弟子の春江に茶会を開かせ、その席で合作の絵を描いて客に売り、その金を北斎に渡すことにする。

文晁が七十八歳で、その九年後に北斎が九十歳で亡くなると、二人はそれぞれ誓教寺と源空寺という、近い場所の墓に葬られた。

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講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談事典瀧口雅仁丸善出版2023年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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