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名人昆寛めいじんこんかん
別題: 岩本昆寛、腰元彫名人昆寛
催促無用と公言する腰元彫の名人が、子どもを遊ばせて写生し、八百両の値がつく小柄を彫る一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は芸道物(役者や芸人の話。役者伝ともいう。)
あらすじ
江戸四谷の裏長屋に住む腰元彫りの名人・岩本昆寛は偏屈で、腕はよいが、注文中の催促は無用、値は極めて高しと公言している。紀州家から刀の小柄の注文を受けても、時ばかりが過ぎて仕上がらない。
ある日、長屋の雨漏り修理に来た大工の話から何かを思いついた昆寛は、注文主の尾張屋を訪ね、火消しの纏をこしらえて子どもたちを王子稲荷へ連れ出す。そこで火消しごっこをさせ、その様子を写し取る。翌日は汐留の潮干狩りへ連れて行き、船の上から写生する。
二週間ほどで、素銅に彫った小柄が仕上がる。表は小狐が火消しの装束で纏を振り、半鐘を鳴らして稲荷の社の火を消そうとする図、裏はその小狐たちが海で潮干狩りをする図だった。ところが代金は三分しかもらえず、それを不満に思い、戒めた女房のおかじを離縁してしまう。
尾張屋を訪ねた目利きの金兵衛がその小柄を手に取り、八百両の値をつける。尾張屋の主人は金子とともに、離縁されたおかじを連れて昆寛のもとへやって来る。これを機に昆寛の名はいっそう高まっていく。
成立と背景
大島伯鶴や早川貞水の速記が残る。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

