寄席のきほん
- 寄席よせ
- 落語を中心に、講談・浪曲・漫才・曲芸(色物)などの演芸を上演する演芸場のこと。多くは年中ほぼ毎日、興行を行っています。
- 定席じょうせき
- 一年を通してほぼ毎日興行を行う寄席のこと。東京では鈴本演芸場・新宿末廣亭・浅草演芸ホール・池袋演芸場の4軒を指します。
- 高座こうざ
- 演者が上がって芸を披露する、一段高くなった舞台のこと。
- 番組ばんぐみ
- その日に「誰が・どんな順番で」出演するかの一覧(プログラム)。寄席ミルの時間割は、この番組を時刻順に並べたものです。
- 木戸銭きどせん
- 寄席の入場料のこと。東京の定席は通常一般料金3,000〜3,500円程度が確認の目安です(2026年7月時点。学生割引、特別興行などは別料金)。くわしくは寄席ミルのコラム「寄席の料金・チケットガイド」をご覧ください。
- 席亭せきてい
- 寄席の経営者・主人のこと。その寄席の「顔」として、番組編成などを取り仕切ります。
- 寄席文字よせもじ
- 寄席の看板やめくり(演者名の札)に使われる、太く隙間を詰めた独特の書体。客席が「埋まる」ようにと、縁起をかついで余白を少なく書くのが特徴です。
- 楽屋がくや
- 出演者が出番を待ち、着替えや準備をする舞台裏の場所。寄席では前座が出番の管理や道具の準備などを担います。
- めくり
- 高座の脇に置かれる演者名の札。出演者が替わるたびに、前座が次の名前へめくります。
- 下座げざ
- 舞台脇で三味線や太鼓などを演奏し、出囃子や効果音を担当する人、またはその演奏場所を指します。
- お囃子おはやし
- 寄席で使われる三味線・太鼓・笛などの音楽。演者の登場時の出囃子、場面の効果音、開演・終演を知らせる太鼓などを含みます。
出演者の格(落語家の階級)
- 前座ぜんざ
- 入門して最初の階級。一番手(開口一番)を務め、楽屋の準備や太鼓なども担う修業期間です。
- 二ツ目ふたつめ
- 前座の次の階級。羽織の着用が許され、寄席や落語会で一人前として高座に上がれるようになります。
- 真打しんうち
- 最高位の階級。弟子を取ることができ、寄席で主任(トリ)を務められます。二ツ目から真打になることを「真打昇進」といい、披露興行が行われます。
- 一門いちもん
- 同じ師匠の系統に連なる落語家のまとまり。「○○一門」のように呼ばれます。
- 香盤こうばん
- 同じ団体に所属する演者の序列や並び順を示すもの。寄席の出演順や楽屋での扱いを決める基準として使われます。
番組・進行の用語
- 主任(トリ)しゅにん
- その部の最後に出演する、いわば主役。多くは真打が務めます。最後に出て出演料を「取る」ことから「トリ」と呼ばれます。寄席ミルの時間割では「主任」と表示しています。
- 交互こうご
- 日によって出演者が入れ替わる出演枠のこと。寄席ミルの時間割では、その枠に出る複数の名前を「/」で並べて表示しています。
- 仲入りなかいり
- 番組の途中に入る休憩のこと。前半と後半の区切りになります。
- 開口一番かいこういちばん
- その日いちばん最初の高座。多くは前座が務めます。
- 膝代わりひざがわり
- 主任のひとつ前に出る色物などの演目。トリへ向けて場をつなぐ大切な役どころです。
- マクラ
- 落語の本編に入る前の、導入のおしゃべり。世間話から自然と本題へ入っていきます。
- サゲ(落ち)
- 落語の結末につく、話を締めくくるオチのこと。
- 出囃子でばやし
- 演者が高座に上がるときに鳴る、その人ごとに決まった三味線・太鼓のお囃子。常連は出囃子だけで「誰が出てきたか」が分かります。
- ネタ
- 落語などの演目(演じる話)のこと。同じ寄席で同じ日に同じネタが重ならないよう配慮されます。
- 食いつきくいつき
- 仲入り後、最初に高座へ上がる出演枠。休憩から戻った客席に向けて後半の開始を担います。
- 代演だいえん
- 予定されていた出演者に代わって、別の演者が出演すること。番組変更として当日告知される場合があります。
- 休演きゅうえん
- 予定されていた出演者が出演しないこと。代演者が入る場合と、その出演枠自体が変更される場合があります。
- 一番太鼓いちばんだいこ
- 寄席の開場前に打つ太鼓。興行が始まることを周囲へ知らせます。
- 二番太鼓にばんだいこ
- 開演直前に打つ太鼓。一番太鼓に続き、客席へ開演が近いことを知らせます。
- 追い出し太鼓おいだしだいこ
- 終演後に打つ太鼓。興行の終了を知らせ、客席を送り出す合図になります。
興行の区切り
- 上席・中席・下席かみせき・なかせき・しもせき
- 寄席の番組はおおむね10日ごとに替わり、1〜10日を「上席」、11〜20日を「中席」、21日以降を「下席」と呼びます。
- 余一会よいちかい
- 31日のように「余った一日」に行われる特別興行のこと。上席・中席・下席(10日ごと)の枠に入らない31日に、その日だけの企画公演が組まれます。
- 昼の部・夜の部
- 一日の興行を昼と夜に分けた区分。寄席ミルの時間割では、昼を橙色・夜を藍色で色分けしています。
- 入替いれかえ
- 部が替わるときに客席を入れ替えること。「入替なし」の寄席なら、一度入れば一日中楽しめます。
- 初日しょにち
- 一つの興行期間の最初の日。寄席では上席・中席・下席それぞれの開始日を指す場合があります。
- 千秋楽せんしゅうらく
- 一つの興行期間の最終日。披露興行や特別興行の最終公演にも使われます。
- 披露興行ひろうこうぎょう
- 真打昇進や名跡の襲名などを公に披露するための興行。口上が組まれる場合があります。
- 大入りおおいり
- 客席が多数埋まった興行を表す言葉。満員やそれに近い入りになった際、関係者へ大入袋が配られることがあります。
演芸の種類
- 落語らくご
- 一人の演者が、身ぶりと語りだけで複数の登場人物を演じ分け、物語を語る話芸。
- 古典落語こてんらくご
- 江戸時代から明治期を中心に成立し、代々演じ継がれてきた落語。演者ごとに構成や人物の描き方が異なる場合があります。
- 新作落語しんさくらくご
- 近現代に新しく作られた落語。現代の生活や社会を題材にした作品のほか、時代設定を過去に置く作品もあります。
- 滑稽噺こっけいばなし
- 登場人物の言動や行き違いなど、笑いを中心に構成された落語。
- 人情噺にんじょうばなし
- 親子・夫婦・師弟などの人間関係や情を中心に描く落語。笑いを交えながら進む演目もあります。
- 講談こうだん
- 釈台(机)を張扇で叩いて調子をとりながら、軍記や物語を読み聞かせる話芸。
- 浪曲ろうきょく
- 三味線の伴奏に乗せて、節(うた)と啖呵(語り)で物語を語る話芸。浪花節(なにわぶし)とも呼ばれます。
- 漫才まんざい
- 二人組などが掛け合いの話術で笑わせる演芸。東京では東洋館が漫才の定打ち小屋として知られます。
- 色物いろもの
- 落語以外の演芸(漫才・マジック・紙切り・曲芸・物まね・音曲など)の総称。寄席のめくりで演目名を黒以外の色で書いたことが名前の由来とされ、番組に彩りを添える存在です。
- 紙切りかみきり
- ハサミ一本で紙を切り抜き、お客のリクエストに応じて形を作る色物芸。切りながら話す軽妙なやり取りも魅力です。
- 太神楽だいかぐら
- 傘の上で枡や鞠を回す「曲芸」と、こっけいな「茶番」からなる伝統芸。寄席の曲芸の代表格です。
- 奇術(マジック)きじゅつ
- 手品のこと。寄席ではトークを交えた軽妙な演出で楽しませる色物の一つです。
- 音曲おんぎょく
- 三味線などにのせて、俗曲・小唄などを聞かせる色物芸。
講談・浪曲の用語
- 釈台しゃくだい
- 講談師の前に置く小さな机。講談師はこの前に座り、張り扇で叩いて語りのリズムを取ります。
- 張り扇はりおうぎ
- 紙を巻いて作る講談の道具。釈台を叩いて音を出し、語りの調子や場面の転換を示します。
- 修羅場読みひらばよみ
- 軍記物の合戦場面などを、独特の節と速い調子で読み上げる講談の語り方。
- 曲師きょくし
- 浪曲で三味線を担当する演奏者。浪曲師の節や啖呵に合わせて伴奏します。
- 節ふし
- 浪曲で、三味線に合わせて歌うように物語る部分。浪曲師ごとに節回しが異なります。
- 啖呵たんか
- 浪曲で、登場人物のせりふや会話を語る部分。節と交互に用いて物語を進めます。
- テーブル掛けテーブルかけ
- 浪曲師が立つ演台に掛ける布。家紋や名が染め抜かれたものもあり、浪曲の高座で使われます。
- 浪花節なにわぶし
- 浪曲の別名。現在は「浪曲」の呼称が一般的ですが、公演名や演目の説明で使われることがあります。
言葉の違い・よくある疑問
- 「落語」と「寄席」の違い
- 「落語」は一人で演じる話芸そのもの(演目・ジャンル)を指し、「寄席(よせ)」はその落語や演芸を上演する場所・興行を指します。「寄席に行って落語を聴く」という関係です。
- 「高座」と「寄席」の違い
- 「高座(こうざ)」は演者が芸を披露する一段高い舞台のこと、「寄席」はその高座がある演芸場・興行全体のことです。寄席の中に高座がある、という関係になります。
- 「演芸」と「寄席」えんげい
- 「演芸」は落語・講談・浪曲・漫才・曲芸などの大衆芸能の総称。「寄席」はその演芸を日常的に上演している場所を指します。
- 「寄席」の読み方
- 「寄席」は「よせ」と読みます。人を寄せ集める「寄せ席(よせせき)」が縮まった言葉とされています。
落語家・芸人の団体について
東京の寄席には、落語協会・落語芸術協会・落語立川流・五代目円楽一門会などの団体が関わっています。 各団体のくわしい紹介は 各協会の紹介 ページをご覧ください。


