落語の演目

塩原多助一代記しおばらたすけいちだいき

人情噺武家噺三遊亭圓朝の作出世縁組み火事奉公

幼くして家を出された少年が、愛馬との別れを経て奉公先で身を立て、店を構えるまでを描く人情噺。

あらすじ

浪人となり猟師をして暮らす武士の家来が、主人の仕官運動の資金を得ようと金を持った旅の者を襲うが、返り討ちに遭って命を落とす。討った側の男と主人の家が実は同じ姓の血筋と分かり、資金を用立ててもらう代わりに、主人は八歳の息子を討った男の家に養子として差し出す。

月日が経ち、養子となった少年は成長するが、養父が亡くなったあと、家に入り込んだ女たちにねたまれて命を狙われるようになる。かわいがっていた馬に助けられて屋敷を逃れた少年は、江戸へ向かう道中で愛馬と別れを惜しみつつ、一人旅立っていく。

江戸へ向かう途中で身ぐるみをはがされ、頼るあてもなくなった少年は、川に身を投げようとしたところを炭問屋の主人に助けられ、その店に奉公することになる。少年は懸命に働いて主人の信頼を得ると、外回りを任されるようになり、やがて生き別れていた実の母とも再会を果たす。

長い年月ののち、少年は江戸で自分の炭屋を開き、正直な商いぶりが評判となって店は大いに繁盛する。少年の人柄に惚れ込んだ商家の主人が、財産をもたずともよいと言う少年の望みどおり、身分を隠した形で娘を嫁に出す。二人は力を合わせて働き、店はさらに栄えていった。

物語は評判の高さをたたえる「本所に過ぎたるものが二つあり、津軽大名、炭屋塩原」という言葉で締めくくられる。

ほかの芸能でも演じられます

この演目は浪曲でも演じられています。同じ題材でも、 芸能によって筋の運びや読みどころが変わります。

三遊亭円朝の作。円朝ははじめ、画家の柴田是真から塩原家に伝わる怪談を聞いてまとめるつもりだったが、太助の出身地である沼田へ取材に出かけたのち、怪談ではなく成功談としてまとめることにしたとされる。(講談事典)

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 古典・新作 落語事典瀧口雅仁丸善出版2016年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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