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三方目出鯛さんぽうめでたい
別題: 陸奥間違い
字の読めない下男が届け先を取り違え、仙台侯へ届いた借金の手紙が三方によい結末を生む一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は出世譚(低い身分から身を立てるまでを読む話。)
あらすじ
神田神保小路に住む小普請の穴山次郎兵衛は、年末に五十両が工面できずに困っていた。かつての隣人で、いまは大目付役に出世した松下陸奥守を頼ることにして、手紙を下男の七蔵に持たせ、使いに出す。
ところが七蔵は行き先を忘れてしまう。字が読めないので人に尋ねると、宛名は「松○陸奥守」で、空白は欠字といって目上の人へ出すときの礼儀だという。このあたりで松の字が付く陸奥守といえば松平陸奥守、つまり仙台様だと教えられ、七蔵はそちらの屋敷を訪ねてしまう。
手紙は綱宗公のもとへ渡り、松下陸奥守宛のものだと分かる。しかし親展と書かれた封を切ってしまった手前、黙っているわけにいかないと、使者に金五十両と仙台米五十俵を持たせた。穴山は取り違えに気づいて返そうとするが、使者は受け取らない。
穴山が小普請の支配頭に相談すると、それが将軍綱吉の耳に入る。穴山には役が与えられ、松下は石見守と名を改めることになり、以後、陸奥守を名のるのは伊達家に限ることになった。
成立と背景
浪曲で演じられてきたほか、近年は落語でも「陸奥間違い」の演題で読まれるようになった。ただし設定の異なるところもある。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

