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甲斐勇吉かいゆうきち
別題: 桜屋梅吉、美妓と書生
女嫌いの書生と男嫌いの芸妓が、以前に一度だけ関わっていたと分かり結ばれる、明治の書生を主人公にした一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は出世譚(低い身分から身を立てるまでを読む話。)
あらすじ
和歌山の士族だった甲斐勇吉は、上京して昼は学校へ通い、夜は柔術の稽古に打ち込む日々を送っていた。あるとき友人と食事をしていると、その友人に惚れている芸妓の三吉が現れる。女嫌いの勇吉は腹を立てるが、三吉と一緒にいた男嫌いの芸妓・梅吉のほうは、勇吉を見て一目で心を寄せる。
以前、向島でスリに遭ったとき助けてくれたのが勇吉だった。梅吉ももとは和歌山藩の重臣の娘で、家が没落して芸妓になっていた。母が亡くなる際、梅吉の許嫁が甲斐勇吉であると聞かされてもいた。二人はやがて夫婦となり、結婚後はサンフランシスコへ渡って暮らす。
成立と背景
邑井貞吉が得意にした演目で、速記が残っている。六代目一龍斎貞丈は寄席の高座でも読んでいた。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

