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講談の演目

大岡政談おおおかせいだん

お裁き物連続物裁き騙り盗み名奉行江戸紀州

名奉行大岡越前守が、八代将軍吉宗の落胤と偽って江戸に乗り込んだ天一坊の詐欺事件と、音羽丹七をめぐる名刀紛失・殺人の事件という二つの事件を裁く物語。

連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統はお裁き物(奉行の裁きを読む。政談ともいう。)

あらすじ

本作は、名奉行として知られた大岡越前守忠相が扱ったとされる事件のうち、第一話「天一坊」と第二話「音羽丹七」の二つを収める。両話とも、大岡越前守が吟味を重ねて真相を明らかにし、裁きを下す筋立てになっている。

紀州の修験者の弟子であった戒行は、紀州家の若君源六郎(後の八代将軍吉宗)の落胤だと偽って江戸に乗り込む。源六郎自身、四十二の二つ子として一度は捨てられ、家臣加納将監のもとで密かに育てられたのち若君として迎えられたといういきさつがあった。戒行は軍師格の山内伊賀亮に支えられて江戸入りの準備を整え、老中への働きかけを進めるが、大岡越前守の吟味により出生地とされた村での聞き込みなどから虚偽が明らかになり、一味は捕えられる。

丹波屋の若旦那丹七とおとわは互いに思い合っていたが、三河屋喜蔵がおとわに言い寄り、丹七との間に確執が生じる。丹波屋が島津家から預かっていた名刀伯耆三郎太夫安綱は、当主丹右衛門と番頭彦兵衛がともに寝入っている間に持ち去られた。おとわは吉原に身を沈めて三河屋の様子を探り、下男伝助もこれに協力し、大岡越前守の吟味によって三河屋喜蔵の犯行が明らかになる。

裁きの結果、三河屋喜蔵とその一味は死罪・家財没収となった。忠義を尽くした伝助やおとわには褒美が与えられ、喜蔵の家族にも温情がかけられたうえで、おとわは丹七のもとに嫁ぎ、丹波屋は繁盛したと結ばれる。

各席

2

手元の本に題と筋が載っている席だけを並べています。席の分けかたと題は演者によって変わります。

  1. 1. 天一坊戒行が、紀州家の若君源六郎(後の八代将軍吉宗)の落胤だと偽って江戸へ乗り込み、山内伊賀亮の後見のもとに老中への働きかけを進めるが、大岡越前守の吟味によって出生の偽りが明らかになり捕えられる。
  2. 2. 音羽丹七丹波屋の丹七とおとわの恋に三河屋喜蔵が割り込み、預かった名刀の紛失事件も絡む。丹七を思うおとわと下男伝助の働きで三河屋喜蔵の犯行が明らかになり、大岡越前守の裁きで喜蔵一味は処罰され、おとわは丹七に嫁ぐ。

本の章立て

53

『講談名作文庫』(講談社)の本文に出てくる見出しを、本の並びのまま挙げています。この巻の章は、話の中の場面を指しています。筋はここには書いていません。印の付いたものは、文字の読み取りに確信が持てなかった題です。

  1. 第一話 天一坊乳母から聞いた身の上
  2. 大岡、若さまを召し捕る
  3. 天下御免の巾着切り
  4. 将軍自ら願人となる
  5. 因果や赤ん坊の死
  6. 肝智!他殺と見せかけた老婆の死体
  7. 毒殺!自殺!周到なからくり
  8. あわや戒行の命は風前の灯火
  9. はじめて落胤を名のる
  10. 陰謀の陣第一歩
  11. 天忠坊に面会いたす
  12. 伊賀亮一味に加わる
  13. 計画は順調にすすむ
  14. 天一坊江戸へ乗りこむ
  15. 「ひょっとしたら…」と越前守
  16. 越前守に閉門申しつく
  17. 思案にくれる主従三人
  18. 不浄門の籠ぬけ
  19. 大岡越前、覚悟の上申
  20. 主税の頓智で開門す
  21. 水戸公早朝のご登城
  22. ぬかりなき捕り方の陣
  23. 天一坊、下におれつ
  24. 伊賀亮と決死の対決
  25. 大岡をおそれる伊賀亮
  26. 二挺の早駕籠紀州へ飛ぶ
  27. 取り調べは難航また難航
  28. 坊主の口から初光をつかむ
  29. ようやく正体の目星つく
  30. 越前守切腹を覚悟す
  31. 紀州調べの使者帰る
  32. 越前は天下の名奉行
  33. むじなと狸のだまし合い
  34. 八つ山仮御殿、祝いの宴
  35. 一網打尽!悪の華散る
  36. 第二話 音羽丹七恋のさや当て三つ巴
  37. 喜蔵の無理難題
  38. 先を越して丹七を勘当
  39. なんだいその悪口三昧!
  40. 一難去ってまた一難
  41. 彦兵衛があやしい
  42. 伝助、越前守をへこます
  43. おとわ姐さんの心意気
  44. 番頭彦兵衛の変死
  45. 新吉原から急の使い
  46. どろぼうは上か下か
  47. ふんどしで喜蔵を縛る
  48. はて?この煙草入れは…
  49. 欲に目がくらんだ熊吉の刃
  50. 宙に迷う名刀の行方
  51. これはしたり薩摩家の抗議
  52. 八代さま臨席した大評定
  53. 名判決で大団円

この読み物に含まれる一席

1

それぞれ独立した演目として高座にかかります。本に「『大岡政談』の一席」と 書かれているものだけを並べています。

この演目を調べる・聴く

講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談名作文庫(真田幸村・水戸黄門・大岡政談・柳生旅日記・赤穂義士銘々伝・太閤記・鼠小僧次郎吉・いれずみ奉行・弥次喜多道中記・寛永三馬術・清水次郎長・塚原卜伝・大久保彦左衛門・雷電為右衛門・左甚五郎・幡随院長兵衛・田宮坊太郎・国定忠治・一休和尚漫遊記・伊達騒動・天保六花撰・快傑自来也・由井正雪・荒木又右衛門)講談社 編講談社1976年(電子版 2013〜2014年)

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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