落語の演目

返し馬かえしうま

艶笑噺参詣夫婦女房職人品川

大師詣りを口実に品川で遊ぶ亭主のため、女房が浮気除けに鑿へ「馬」の字を書いて持たせる艶笑噺。

あらすじ

江戸の職人仲間数人が、川崎大師への参詣を口実に品川で一晩遊ぼうと相談する。一人が女房に大師詣りのことを話すと、女房も一緒に行きたがるが、「女連れでは大師さまのご利益もおもしろくなかろう」と断られてしまう。

女房は亭主の浮気を案じ、出かける前にまじないと称して亭主の持つ鑿の頭へ筆で「馬」の字を書く。使ったときにこの字が消えていたら浮気をした証拠になるという趣向で、決して消さないようにと言い含めてから送り出す。

一行は川崎大師で早々に護摩をあげたのち、日暮れに品川へ繰り込み、一晩馴染みの見世に泊まる。翌朝、亭主は鑿の字が使えなくなったと浮かない顔をするが、相手をした女がこっそり書き直してくれたので事なきを得る。

帰宅した亭主が鑿を見せると、字は消えていないものの行きと帰りとで向きが逆さまになっていた。亭主は品川の立て場で馬に豆を食わせたせいだとごまかす。水商売の女には、縁起をかついで「馬」の字をわざと逆さに書く風習があるという。

女房が鑿の「馬」の字がひっくり返っていることに気づき、亭主が「品川の立て場で豆ア食わせた」とごまかして収まる。

成立と背景

寄席では少人数の座敷などで演じられる、いわゆるバレ噺・艶笑ばなしの一つとされる。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 落語百選 秋(ちくま文庫)麻生芳伸 編筑摩書房2004年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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