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講談の演目

柳沢昇進録やなぎさわしょうしんろく

御記録物連続物出世お家騒動悪人将軍大名江戸実説

別題: 柳沢騒動

百五十俵の旗本から十七万石の大名にまで上りつめた柳沢吉保が、大老に就くまでを読む連続物。

連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は御記録物(大名家に伝わる記録や御家騒動。金襖物ともいう。)

あらすじ

四代将軍家綱に跡継ぎがなく、甲府の綱重と館林の綱吉のどちらを五代将軍にするかが問題になる。弥太郎、のちの柳沢吉保は、京都知恩院の随高坊の妹おさめと夫婦になり、綱吉の近習となってから出世を続け、綱吉の母である桂昌院にも気に入られる。

弥太郎は随高坊と示し合わせ、京都にいた浪人の娘そめを桂昌院へ差し出す。綱吉はそめを気に入って寵愛し、男子の徳松が生まれる。家綱の没後、綱吉が五代将軍となり、弥太郎も出羽守となって加増され、随高坊は護持院の大僧正となる。

徳松とそめが世を去ってからも弥太郎の出世は続く。綱吉が病んだ折には大僧正の進言で生類憐みの令が出される。弥太郎は妻のおさめを綱吉に差し出してさらに出世し、生まれた子を自分の息子として吉里と名づけ、自らも松平美濃守吉保と改める。

綱吉は六代将軍に吉里を推そうとするが、井伊家と酒井家が入って甲府の綱豊に決まる。天下を望む吉保は大僧正に綱豊を害するよう頼むが、逆祈りを見とがめられて大僧正は逃亡し、吉保は護持院を焼き払う。おさめが吉里の出生を訴え始め、綱吉も吉里を家宣の養子にしたいと言い出すと、御台所は意見をするが聞き入れられず、綱吉を殺める。家宣が将軍となり、吉保は大老職を召し上げられて隠居し、生類憐みの令は廃される。

成立と背景

『柳沢騒動』の別題を持つが、いわゆる御家騒動ではなく、柳沢美濃守吉保の出世を描く物語であることから、『柳沢昇進録』の題を使うほうが一般的である。講談であるため、史実と異なる展開も多く含まれる。

神田松鯉が、東京文化財研究所による「講談実演記録」で読んだ題目としては、「吉保の生い立ち」「隆光易占」「お歌合わせ」「采女さがし」「刀屋の巻」「将軍饗応」「浅妻船」「隆光の逆祈り」「白菊金五郎」「雁風呂由来」「紋太夫お手討ち」「河村瑞賢」「徂徠豆腐」「葛の一壺」などがある。

この演目を調べる・聴く

講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談事典瀧口雅仁丸善出版2023年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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