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煙草屋喜八たばこやきはち
別題: 喜八貢
勘当された若旦那の面倒をみるために盗みへ入った煙草屋が、恩人の名を明かさぬまま捕らえられる連続物。
連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統はお裁き物(奉行の裁きを読む。政談ともいう。)
あらすじ
下総古河の穀屋善兵衛のもとで奉公していた喜八は、いまは麻布谷町で刻み煙草屋を細々と営んでいる。穀屋の若旦那・善次郎が吉原の花魁玉照に入れあげて勘当されたと知り、喜八が面倒をみることにする。善次郎の放蕩は、店を乗っ取ろうとする番頭の八右衛門にそそのかされた末のことだった。
喜八夫婦の助けで若旦那は玉照と一緒になれるが、二人を居候させるには金がかかる。喜八は伊勢屋という質屋へ盗みに入ろうと考える。実行できずにいると、多湖の伊兵衛という泥棒に見とがめられる。事情を知った伊兵衛は、盗んできた五十両を喜八へ渡す。
一方、喜八の妻お梅は、火付盗賊改の笠原粂之進の家で働くことになるが、粂之進はお梅に横恋慕する。喜八が入った店から火が出たことを口実に、粂之進は喜八を捕らえる。喜八は恩のある伊兵衛の名を白状しない。長屋の連中や吉原の仲間が助命を願うなか、多湖の伊兵衛が名のり出て、喜八の無実は晴れる。喜八はのちに穀屋の養子となって店を継ぐ。
成立と背景
前半にある穀屋の若旦那善次郎と花魁玉照の恋の部分が独立し、『雪の瀬川』という落語として演じられている。
ほかの芸能でも演じられます
この演目は落語でも演じられています。同じ題材でも、 芸能によって筋の運びや読みどころが変わります。
- 落語「雪の瀬川」
遊びを知らなかった堅物の若旦那が、花魁との恋に身を持ち崩し、勘当から立ち直るまでを描いた人情噺。
落語『雪の瀬川』は、講談『煙草屋喜八』の前半にある、穀屋の若旦那善次郎と花魁玉照の恋の部分が独立したものである。(講談事典)
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

