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雷電為右衛門らいでんためえもん
信州の百姓の子として生まれた、身の丈六尺七寸五分という力士が、横綱の地位を返上してまで亡き友の敵を討つに至った、その生涯を描く。
連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は力士伝(相撲取りの話。)
あらすじ
信州上田の百姓の子に生まれた為五郎は、幼い頃から力が強く、人並み以上に食べた。ある日、大勢の人足でも上げられずにいた寺の釣り鐘を一人で持ち上げ、褒美に望んだ馳走を平らげたが、味をしめて夜のうちに鐘を外しては同じことを繰り返し、和尚に見とがめられている。村の相撲で敵なしとなったことから、村人たちに送り出されて相撲取りを志し、江戸へ出た。
江戸で最初に訪ねた大関小野川喜三郎には横柄な扱いを受けて言い争いとなり、弟子入りをことわって出てしまう。翌日訪ねた横綱谷風梶之助には見込まれて弟子となり、腕を上げて、谷風自身と互角の相撲を取ってみせるほどになった。この技量が認められ、幕内力士としていきなり番付に付け出されることとなった。
入門後は数々の相手を退け、なかには恨みを抱いて頭を鍛えぬいて挑む力士もあったが、いずれも敗れている。大関小野川との一戦を控えた夜、小野川の老母が息子の勝利を願って冷水を浴びて祈る姿を、小野川自身がひそかに見ている。だが母はまもなく亡くなり、悲嘆にくれた小野川が雷電に刃を向けようとしたところを、柔術の達人犬上郡兵衛が取り押さえて事なきを得た。郡兵衛の仲立ちにより両者はのちに和解し、義兄弟の契りを結んでいる。
友の力士越の海が四海波に殺されたと知った雷電は、その場で成敗すれば人を殺めた力士として横綱にはなれなくなることを師の谷風から告げられてもなお、決意を変えず、後日の取組で四海波を土俵上に投げ倒して友の仇を討った。横綱の座こそ得なかったものの、大関の地位を十六年にわたって保ち続けたのち、五十九歳で江戸において世を去った。没後には郷里に顕彰の碑が建てられたが、雷電にあやかろうとする人々によって石が欠き取られてしまい、後年建て直されたものも同じ経過をたどったと伝えられている。
本の章立て
44章『講談名作文庫』(講談社)の本文に出てくる見出しを、本の並びのまま挙げています。この巻の章は、話の中の場面を指しています。筋はここには書いていません。印の付いたものは、文字の読み取りに確信が持てなかった題です。
- 飯のたねに釣り鐘
- 飯炊き三年、冷や飯六年
- 牛の喧嘩を仲裁
- ノンフンの野放しかい*
- 兄弟子どもがギャフン
- 初番付から幕の内
- 首をくれるとは面白い
- 約束だから首はもらうぞ
- 顔の合わない顔合わせ
- まるで米俵の太神楽
- 新手二本差し上げ
- 石の俵で頭をドシン
- 石頭と鉄の胸板
- 軍鶏の恨みに横っ面
- なんじゃ江戸相撲の蚊とんぼども
- 猫に鼠だ、口に咬えて振り回す
- われっ大岩、父の敵だ
- わしも雷電、親方待った
- 大岩の腕がメリメリホキン
- 待てば海路の上覧相撲
- 今年しゃ負けても、らいでんは勝つ
- 口は禍いの門、舌は禍いの根
- 小野川、雷電の初顔合わせ
- 命をかけるこの一番
- 折り重なって土俵の外へ
- 両雄ついに並び立たず
- あわや血の雨、血の決闘
- 天狗の鼻がべっしゃんこ
- 小野川火事場の一番手柄
- このどっちょい畳んじまえ
- 松の木を引き抜いてブンブン
- ぎょぎょっ約束が違うぞ
- 水盃に悲壮の覚悟
- 空前絶後の二人相撲*
- インチキだぞ、木戸銭を返せ
- 脅迫まじえた弟子入り志願
- 荷物が人間を提げて歩く
- 相撲をあきらめて按摩になれ
- 心臓以上の肝臓小僧
- 臍から三寸下がった、男の急所
- 水爆おとしでやっつけろ
- 越の海無念の最期
- 横綱を棒にふっての一番
- 古今独歩、不世出の大力士
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談名作文庫(真田幸村・水戸黄門・大岡政談・柳生旅日記・赤穂義士銘々伝・太閤記・鼠小僧次郎吉・いれずみ奉行・弥次喜多道中記・寛永三馬術・清水次郎長・塚原卜伝・大久保彦左衛門・雷電為右衛門・左甚五郎・幡随院長兵衛・田宮坊太郎・国定忠治・一休和尚漫遊記・伊達騒動・天保六花撰・快傑自来也・由井正雪・荒木又右衛門)』講談社 編、講談社、1976年(電子版 2013〜2014年)
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

