このページは公開前の確認用です。URLを知っている人だけが見られる状態にしてあります。 サイト内のメニュー・サイトマップには出ておらず、検索にも登録されません。 内容を確認したうえで公開に切り替えます。
お紺殺しおこんごろし
絹商人が、自らのために病んで別れた女房を手にかけ、殺したはずの女房に祟られて命を落とす一席。「吉原百人斬り」からの抜き読みとされる。
一席物(一話で完結する話)。系統は怪談物(幽霊や化け物が出る話。)
あらすじ
野州佐野犬伏の絹商人・次郎兵衛は、江戸への掛け金集めの帰り道、病に冒され物乞いをする女に金を恵む。女は、かつて次郎兵衛に捨てられた女房のお紺だと明かす。次郎吉と名乗っていた若い頃の次郎兵衛は窃盗や人殺しを重ねる身の上で、当時連れ添っていたのが新橋烏森の芸者だったお紺である。次郎兵衛からうつった病で顔かたちが変わり果てたお紺を、次郎兵衛は置き去りにしていた。
お紺は、次郎兵衛が江戸へ向かう行き帰りに必ず使う道筋で18年もの間待ち続けてきたと告げ、それほど憎いなら殺していけと迫る。次郎兵衛は、病を治す金を工面するため駿府まで行き、ようやく30両を手にして戻ったが、お紺がいなくなっていたと聞いて詫びるつもりで働いていたのだと弁明する。なお疑うお紺に、自分も後添えを持たず独りでいたと告げると、お紺は喜んで一緒に佐野へ帰ろうとする。
しかし過去を知るお紺を疎ましく思う次郎兵衛は、戸田川で顔を洗うよう勧め、川に身を乗り出したところを突き落として沈める。宿に泊まった夜、死んだはずのお紺が濡れた姿で部屋に座っているのを見た次郎兵衛は恐怖のあまり正気を失い、自分の手で喉を絞めたうえ舌を嚙んで、そのまま息絶える。
成立と背景
佐野次郎左衛門を主人公とする「吉原百人斬り」からの抜き読みとされ、一席物として演じられることが多い。
読み方の違い
同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。
- 上方講談の旭堂南左衛門は、戸田川でお紺を沈める場面を、棒杭を使って時間をかけて見せる型で演じる。神田松之丞は、次郎兵衛に嘘をつくときに上唇をなめる癖を設定し、戸田川で顔を洗う場面やお紺の最後のせりふなどを独自に加えている。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談入門』神田松之丞/編・文 長井好弘/写真 橘蓮二、河出書房新社、2018年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

