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講談の演目

無心は強いむしんはつよい

武芸物一席物剣術滑稽意地剣豪上方江戸

別題: 山本南龍軒

剣の心得がない祭文語りが、負けたら謝ればよいという知恵で道場破りを重ね、名人に無心の強みを見せる一席。

一席物(一話で完結する話)。系統は武芸物(剣豪・武芸者の話。)

あらすじ

安政のころ、いまの兵庫に山本南龍軒という祭文語りがいた。見た目は大男だが力はなく、商いも下手だった。知人から、体を活かして剣術の先生になり、道場破りを商売にしてはどうかと言われる。剣術の心得はないが、相手が打ち込んできたら竹刀を放り出して参ったと謝ればよい、そうすれば相手は門弟の前で打ち込むのは気の毒だと思って勝ちを譲ってくれたと感謝し、ごちそうしてくれるという。

南龍軒はさっそく他流試合を重ねて腕ならぬ秘策を磨き、江戸麻布の長沼久太夫の道場へ出向く。天下無敵流の元祖・山本南龍軒と名のって勝負を挑むと、その隙だらけの構えから、強いか弱いかも分からない無心の強みを長沼は感じ取り、恐るべき相手と見る。

南龍軒が窓の外を眺めているので、長沼は捨て身で打ち込む。南龍軒は竹刀を放り出し、詰め寄る長沼へ自分が祭文語りであることを打ち明ける。長沼は、自分は勝ちにこだわっていたが、南龍軒のほうは勝負を超えた大きい心を持っていた、つまり有心が無心に負けたのだと言う。南龍軒は兵庫へ戻って新しい生業を見つけ、それが成功したことを長沼へ報告し、二人で喜び合う。

成立と背景

もとは中里介山『大菩薩峠』の中の一節で、一席物として読まれることが多い。

この演目を調べる・聴く

講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談事典瀧口雅仁丸善出版2023年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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