招き猫の由来まねきねこのゆらい
別題: お福猫
船宿の猫が小判をくわえて出入りの魚屋へ運び、そのために殺される。埋葬した魚屋がのちに出世する一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は世話物(町の人々の暮らしと事件を描く。白浪物・侠客物・三尺物などはこの中の分けかた。)
あらすじ
柳橋の船宿・武蔵屋に一匹の猫が居つき、お福と呼ばれてかわいがられていた。いつも餌をやっている魚屋の金八が金の無心に来て断られ、家に戻ると、お福が小判をくわえてやって来る。
その小判は、武蔵屋の主人が金八に渡そうと考えていたものだった。持ち出したことが分かり、お福はその晩に殺されてしまう。金八がその亡骸を回向院に埋めると、それから運が向いて出世する。
この話を聞いたビラ師が、猫に小判の絵を描いて売り出すと、縁起物として江戸中で人気になったという。
成立と背景
一龍斎貞鏡が読んでいたことがある。同じ題で、回向院の門前にあった二軒の茶屋がそれぞれ金紙と銀紙を貼った猫の像を置いて繁盛したが、銀の猫の茶屋のおかみに惚れた男が心中し、のちに両方の店がつぶれる、それでも花柳界では招き猫が縁起物として大切にされる、という話もある。
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講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

