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延命院えんめいいん
別題: 因果小町、実録延命院、蓮華往生
谷中延命院の美貌の住職と、寺に入り込んだ男が起こした女犯事件を扱う一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は世話物(町の人々の暮らしと事件を描く。白浪物・侠客物・三尺物などはこの中の分けかた。)
あらすじ
谷中延命院の住職・日道は、名優の尾上菊五郎が駕籠屋の娘に産ませた子で、丑之助という美少年だった。役者をしていたこともあったが、女性をめぐる問題から延命院の日対和尚のもとで出家して日道となる。その美貌で説教を始めると多くの女性が集まったが、日道は戒めを守って日々を過ごしていた。
ところが岩田長十郎という男が寺男として住み込んでから話がこじれる。長十郎はもともと房州の妙光寺で蓮華往生と称し、多くの命を奪ってきた男だった。長十郎は日対和尚を殺め、日道を住職に据える。そして金のありそうな後家や娘に祈祷を行い、祈祷料を集め始める。
さらに大奥や大名家の女中らを誘って姦淫に及び、それが寺社奉行の脇坂淡路守に知れて捕らえられる。日道と長十郎の二人は斬罪となる。
成立と背景
この事件は後日『観延政命談』と題した読み物になって世に広まり、さらに河竹黙阿弥が、日道の名を日当と改めて『日月星享和政談』(通称『延命院日当』)に脚色し、明治11年(1878年)に五世尾上菊五郎が初演した。講談では宝井琴凌が得意にした演目だが、演じ手は少ない。話の一部が『蓮華往生』の題で読まれることがある。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

