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団十郎と馬の足だんじゅうろうとうまのあし
馬の後ろ足しか役をもらえない役者が、初めて客席から声をかけられて跳ね上がってしまう一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は芸道物(役者や芸人の話。役者伝ともいう。)
あらすじ
明治のころ、左の頬に大きな刀傷のある武助という歌舞伎役者がいた。その傷ゆえに人間の役は回ってこず、動物の役ばかりを演じている。武助の望みは、舞台で声をかけられるところを母親に見せることだった。それを叶えてやろうと、長屋の大家が連中を引き連れて歌舞伎座へ行く。
その日の演し物は『一ノ谷嫩軍記』で、武助は権太栗毛という馬の後ろ足を務めていた。大家が声をかけると、長屋の連中も続く。生まれて初めて声をかけられ、喜んで涙を流す母の姿を見た武助は、飛び跳ねたうえにいなないてしまう。
主役の市川團十郎は怒るが、事情を聞くと、母を大切にする心と、それを支える客に感心して武助を励ます。
成立と背景
落語の『武助馬』と同じ種類の話である。一龍斎貞山の得意にした読み物。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

