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肉付きの面にくづきのめん
別題: 観世肉付の面、名工観世の面
卑しいところがあるとして面を割られた面打ちが自ら命を絶ち、その息子が打った面が外れなくなる一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は芸道物(役者や芸人の話。役者伝ともいう。)
あらすじ
京橋に住む源五郎は、能に使う面作りでは日本一という腕前だが、酒ばかり飲み、気が向かないと仕事をしない。ある年の暮れ、観世家から頼まれた鬼女の面を仕上げ、倅の源之助に木挽町の屋敷へ届けさせると、源之助は二つに割れた面を手にして帰ってくる。この面には卑しいところがあり、これを着けて舞うわけにいかないと、殿様が怒って割ったのだという。腕が鈍ったことを恥じた源五郎は、商売物の鑿で自ら命を絶つ。
源之助は父の跡を継いで能狂言の面打ちになる。十八になったとき、観世家から鬼女の面の依頼を受ける。父の残した二つに割れた面をそばに置き、七日七晩かけて面を仕上げた。
喜んだ殿様が面をつけると、今度は外れなくなった。苦しむ観世を前に、源之助は自分が源五郎の息子だと明かし、父の面のどこが卑しかったのかと尋ねる。観世が卑しいところはないと答えると面は外れた。面の内側には血が付いていた。観世は源五郎に詫び、源之助の後援者となる。源之助は源五郎の名を二代目として継ぎ、名人と呼ばれるようになった。その面は「肉付きの面」として観世家に伝えられた。
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- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
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講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

