搗屋幸兵衛つきやこうべえ
口うるさい家主幸兵衛が、長屋を借りたい搗米屋に、以前の借家人夫婦に起きた出来事を語って聞かせる噺。
あらすじ
何かにつけて小言を言わずにいられない家主の幸兵衛は、空き長屋を借りたいと訪ねてきた搗米屋の男を家に上げる。そのまま世間話のふりをして、以前その部屋に住んでいた別の搗米屋にまつわる古い話を聞かせ始める。
以前の借家人は荒物屋の商いで信用を得て女房を持つが、女房は病で亡くなる。遺言により女房の妹を後添いにするが、朝夕仏壇に茶をあげるたびに位牌が後ろ向きになっているのに気づく。後妻もこれを気に病んでやはり亡くなってしまう。
跡を継いで仏壇の世話をする役目を引き受けた幸兵衛自身が、ある朝お茶をあげに行くと、今度は姉と妹、二人分の位牌がそろって後ろ向きになっているのを見つける。狐狸妖怪の仕業かと疑い、その晩は寝ずに仏壇を見張ることにする。
夜が明けると、隣に住む搗米屋が朝の早い商売でドスンドスンと米を搗き始め、その振動が壁を伝って仏壇の位牌を回転させ、後ろ向きにしていたことがわかる。それでも幸兵衛は搗米屋に向かって「女房の敵」だと難癖をつける。
位牌が後ろ向きになる原因が隣の搗米屋の米搗きの振動だったとわかっても、幸兵衛は搗米屋を「女房の敵、それへ直れ」と呼びとめ、「冗談言っちゃいけない」と切り返される。
成立と背景
『小言幸兵衛』という別の演目の姉妹篇にあたるとされる。
演じてきた人
五代目古今亭志ん生、三代目古今亭志ん朝、古今亭志ん橋、古今亭志ん輔が演じてきました。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『落語名作200席 下(角川ソフィア文庫)』京須偕充、KADOKAWA、2014年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

