年枝の怪談ねんしのかいたん
興行先で誤って按摩を死なせてしまった芸人が、その後も按摩の幻影に悩まされ続ける新作の怪談噺。
あらすじ
横浜に寄席ができ、大看板の師匠が周辺の寄席と掛け持ちで興行を行っていた。弟子で腕のいい年枝は、師匠と入れ替わりに周辺の寄席を廻っていた。ある晩、年枝は宿で按摩を呼び、柔術の話から技比べになった際、誤って按摩を絞め殺してしまう。師匠に自首を勧められるが、芸に打ち込みたいと頼み込み、師匠は見逃すことにする。
各地で芸を磨いた年枝は、座長としてある土地で興行を打つ。夏に怪談噺をかけると、笑う場面でないところで笑いが起きる。客席を見ると、殺したはずの按摩がいたので、年枝は気を失ってしまう。翌日は何事もなかったが、宿で風呂に入ると湯船にその按摩がいた。
静養のため寺に預けられた年枝は、鏡に按摩が現れるたびに頭を丸めて供養を続ける。やがて修行が認められ、別の寺の住職になった。ある日、町なかで師匠の名を掲げた看板を見つけ、その晩のうちに訪ねていくと、師匠はたいそう喜んで迎え入れ、神奈川の一件は死人が出ていなかったのだと明かし、落語家に戻るよう勧める。師匠が皆で手を締めようと言うと、年枝が答える。
年枝は「待って下さい。締めるのはこりごりです」と答える。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

