旅の里扶持たびのさとふち
師匠のもとをしくじった若い噺家が旅先で出会った芸人夫婦との縁と、残された子との再会を描く。
あらすじ
師匠のもとをしくじって江戸を離れた若い噺家が、旅の道中で新内流しの女性と、連れ合いの男性からなる夫婦芸人に出会い、同行させてもらう。女性は商家の娘、男性は店に出入りしていた職人の息子で、恋仲になり駆け落ちをした身の上だった。
旅先で男性が病に倒れると、女性が新内を披露して生計を立てるようになり、芸を気に入った後見人の世話で暮らせるようになるが、その後見人も亡くなる。女性が身ごもったころ、店の金が紛失した疑いを男性にかけられ、住まいを追われてしまう。
宿で夜中に男性が姿を消し、女性を突き飛ばして逃げ出す。追いついた若い噺家に、男性は女房に姿を見られたことを理由に見逃してほしいと頼んで去っていった。事情を知った女性と若い噺家は、新内と噺を披露しながら旅を続けるが、女性はやがて病に倒れ、看病のかいなく息を引き取る。
若い噺家は葬儀を済ませ、生まれた子どもの里親を探して養育の費用を送る約束をし、江戸へ戻って修行をやり直し、出世を遂げた。数年後、旅先であの子どものことを思い出して訪ねてみると、里親のもとで育った娘に再会し、亡き母親の面影を伝えて別れを惜しんだ。
若い噺家は、かつて女性が三味線を弾いていた場所に立ち寄り、覚えている新内の一節を口ずさんで当時を偲ぶ。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

