備前徳利びぜんどっくり
大名の飲み比べに勝って出世した武士が、死後は好きな酒のそばにいたいと徳利に姿を残してもらうが、酒好きの息子の代でその願いが思わぬ結末を迎える。
あらすじ
諸国の大名を招いた宴で、酒豪の大名の相手を求められた台所役の武士が、飲み比べで勝つ。喜んだ殿様はその武士を取り立てて禄を与える。武士は妻を亡くしていたが、息子と家来と三人で毎日好きな酒を飲んで暮らす。
やがて病を得た武士は、薬より好きな酒を飲んで死にたいと望み、医者もそれを許す。臨終に際し、酒のおかげで出世できたので、備前徳利に自分の姿を残して酒のそばに置いてほしいと息子に頼み、殿様に願い出るよう託して亡くなる。殿様はこれを聞き入れ、武士の絵を入れた徳利を焼かせる。
息子は参勤交代で江戸に出ると、吉原の花魁にのぼせて通いつめ、父と同じように大酒を飲むようになる。家来が意見をしても酒を飲まされてごまかされてしまうが、亡き父が夢に現れて意見をするようになったため、息子は吉原通いをやめる。
その後も父は夢に現れ、両国の酒屋に買われて徳利として過ごしていると嬉しそうに話し、毎晩のようにやって来る。ところがしばらくして父の姿が見えなくなったので、息子が心配をしていると、久しぶりに父が現れた。その顔色がすぐれないことに気づいた息子は、どうしたのかと理由を尋ねる。
息子が理由を尋ねると、父は「口が欠けたので、醤油徳利にされてしまった」と答える。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

