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槍持甚兵衛やりもちじんべえ
家宝の大槍のために人が死んでいくのを止めようと、槍持ちが覚悟のうえで槍を二つに折る一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は武芸物(剣豪・武芸者の話。)
あらすじ
越後高田の榊原家には、長さ三間二尺という家宝の大槍が伝わっている。参勤交代では三人の槍持ちが受け持つが、ある年、槍持ちの一人である甚兵衛の具合が悪く、妹婿の多田の仁左が代わりを引き受けた。ところが道中で風にあおられ、槍の先を折ってしまい、仁左は死罪となる。
のちに榊原式部太夫が江戸から越後高田へ帰る道中、甚兵衛が槍持ちを引き受ける。槍のせいで命を落とす者が出るのを防ごうと、甚兵衛は覚悟のうえで大槍を真っ二つにしてしまう。
戦場で敵の命を取るための槍のせいで、忠義の者が命を落としている。それに気づいた式部太夫は、甚兵衛の心根へ感心する。後ろ手に縛られた縄を斬り、この先は中山道に近づかぬようにと言い渡して去らせた。
成立と背景
五代目宝井馬琴が演じた。最後に、甚兵衛は命を賭して槍を割ったのだからと、望みどおり斬り捨てられる展開も速記に残っている。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

