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恩田杢おんだもく
別題: 恩田木工
傾いた信州松代藩の財政を、家老の恩田杢が自らの暮らしを切り詰めるところから立て直していく一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は御記録物(大名家に伝わる記録や御家騒動。金襖物ともいう。)
あらすじ
真田幸村の兄・信之を藩祖とする松代藩は、江戸中期に財政が行き詰まる。立て直しは進まず、六代藩主幸弘の代になって、家老の恩田杢がその任にあたることになる。恩田は、自分の言うとおりにしてもらうことを条件に重役を引き受ける。
恩田はまず、自分の妻子と親類縁者、さらに家来にいたるまで、食事は一汁一菜、着る物は木綿にかぎると定めて守らせる。その倹約ぶりは城中にとどまらず、領民にも伝わっていく。
藩主の幸弘が帰国することになると、恩田は御用金を用立てた者や年貢を前納した者を呼び集め、殿の前で頭を下げて藩の立て直しへの協力を求める。こうして立て直しは進み、勘定奉行を務めた恩田杢は宝暦12年(1762年)に四十六歳で亡くなる。
成立と背景
恩田木工は享保2年(1717年)に生まれ、信州松代藩の真田家に仕えた実在の家老で、本名を恩田民親という。行き詰まった藩財政の立て直しに尽くした人物で、その事績は『日暮硯』に残る。六代目一龍斎貞丈が演じた。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

