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講談の演目

魚屋本多さかなやほんだ

御記録物一席物情け出世身分違い大名駿河

屋敷の窓から見下ろした魚売りの持つ水呑みに見覚えがあり、それが自分の子だと分かる一席。

一席物(一話で完結する話)。系統は御記録物(大名家に伝わる記録や御家騒動。金襖物ともいう。)

あらすじ

藤枝は田中城の城主・本多隼人正正矩は、酒を飲むとおとなしくなることから「猫本多」と呼ばれていた。ある日、屋敷の窓から下を眺めていると、魚売りが一人、水呑みに酒を注いで飲んでいた。その水呑みに覚えがあった隼人正は、魚売りを屋敷へ呼び入れる。

宗太郎という名のその男の話を聞くうちに、かつて徳川と豊臣の戦のころ、徳本寺で暮らしていたお種と、徳川方の若武者との間に生まれたのが宗太郎だった。この水呑みは、その若武者が子の生まれた証に置いていったものだと分かる。

隼人正は、自分がそのときの武者だと明かすが、身分が違うので父と名のることはできないとする。そのうえで、お種の眠る寺に五十石を与え、宗太郎を側用人として本多宗太郎と改めさせ、その息子の宗吉が成人したら分家として三百石を与えると約束する。のちに宗吉は旗本本多宗吉となり、父が魚屋だったことから鯛を二尾逆さにした姿を家紋とし、徳川の世が終わるまで続いたという。

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講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談事典瀧口雅仁丸善出版2023年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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