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恩義の柵おんぎのしがらみ
別題: 銀行頭取殺し
紙入れを盗んで自首した少年を引き取った銀行頭取が殺され、その少年に嫌疑がかかる一席。
連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は幕末明治物(幕末から明治を舞台にした話。)
あらすじ
日本橋久松町の吉岡銀行の頭取・吉岡粂男が警視庁へ呼ばれると、先日なくした紙入れを盗んだ者が、中身もそのままに自首してきたという。盗んだのは十二歳の高橋幸太郎という少年で、病の母に何か食べさせたくて紙入れを持ち帰ったが、母はすでに亡くなっており、罰が当たったと思って届け出たのだという。吉岡は身元引受人となり、幸太郎を自分の家へ連れ帰る。
成長した幸太郎は吉岡の片腕となる。吉岡は娘お花の婿にと考えるが、銀行の支配人や行員が反対し、新聞にはお花と幸太郎の醜聞が載る。それを知った吉岡は、海外貿易の事業を開きたいので長崎へ行くようにと命じる。
幸太郎が東京を発った夜、吉岡が殺され、銀行の金も奪われる。幸太郎は容疑者として捕らえられ、状況証拠もそろって死刑を免れないところ、官選弁護士の星亨の弁論で無罪が立証され、真犯人も見つかる。幸太郎はお花と結婚する。
成立と背景
明治20年代の犯罪の実話という触れ込みで作られた話で、作者は世話物の名人と呼ばれた邑井操である。神田伊織が連続物として復活させた。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

