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恩愛親子餅おんあいおやこもち
別題: 榎本武揚
牢に入れられた榎本武揚のもとへ、母が餅売りに姿を変えて会いに行く一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は幕末明治物(幕末から明治を舞台にした話。)
あらすじ
箱館五稜郭の戦いで官軍に降伏した旧幕府軍の榎本武揚は、丸の内辰ノ口の牢獄に入れられる。旗本の次男坊だと語って素性を隠し、蘭書などを読んでいるが、面倒見がよく牢内の者の相談にも乗る。それが面白くない牢名主と争いになった際、元幕臣だと明かすと、牢内の者たちは牢名主を倒し、榎本を新しい牢名主に選ぶ。
そのころ、榎本の母・貞子は息子の身を案じ、妻の多津子が世話をしていた。貞子は対面の嘆願書を兵部省に出すが拒まれ、病の床につく。榎本も差し入れで母の病を知り、対面を願うが許されない。
そこで貞子を、牢内へ物を売りに来る餅売りに変装させて向かわせる。はじめは追い返されるが、不憫な物売りだとして中へ入ることを許された。榎本は牢の前で泣く母に、ほかの者に気づかれてはならないと心の中で涙を流す。母も息子の姿を見て、餅を渡して去る。明治5年(1872年)の正月、黒田清隆らの働きで赦免されて家へ戻ると、母は十日前に亡くなっていた。榎本は仏壇の前で手を合わせる。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

