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海賊退治かいぞくたいじ
肥後熊本へ向かう途上、瀬戸内海で大船風早丸が海賊に襲われ、乗り合わせた紀州浪人笹野権三郎が海賊の頭目を討ち果たす一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は武芸物(剣豪・武芸者の話。)
あらすじ
江戸を出て肥後熊本を目指していた大船風早丸が瀬戸内海に差しかかったところ、小舟が五艘、近づいてくるのが見えた。近づいてきたのは、西海灘右衛門を頭目とする海賊船だった。またたく間に風早丸は取り囲まれ、海賊たちは網を伝って次々と船に乗り移り、その数は三十人あまりにのぼった。
船に乗っていた武士の斎藤鬼軍刀太源照影は奮戦するが、隙を突かれて後ろから倒される。もう一人の武士である紀州の浪人、笹野権三郎義種がこれを救い、海賊たちを次々に打ち倒した。最後に頭目の西海灘右衛門が薙刀を手に現れると、権三郎は激しく打ち合い、海中でもみ合った末についに灘右衛門を倒し、喝采を浴びた。
成立と背景
海賊退治は本来長編の武芸物の一部にあたる話とされ、二代目山陽が編集し持ちネタとしていた。松之丞は二ツ目への昇進を披露する興行で、この演目を繰り返し高座にかけた。
読んできた人
二代目山陽
読み方の違い
同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。
- 海賊を槍で突く場面に、大正時代由来とされる掛け声を用いる演出が今も使われている。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談入門』神田松之丞/編・文 長井好弘/写真 橘蓮二、河出書房新社、2018年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

