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講談の演目

快傑自来也かいけつじらいや

白浪物連続物敵討ち盗み泥棒変装江戸九州

小西家旧臣の子として孤児同然に育った尾形周馬は、日本四大盗賊の一人自来也と呼ばれる大盗となり、肉親を捜す旅の末に海の外へ渡っていく。

連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は白浪物(泥棒の話。)

あらすじ

尾形周馬は、関ヶ原の戦いで改易となった大名家に仕えていた父を幼くして亡くし、父の同輩夫婦に育てられる。この夫婦は素性を隠して信濃の山里に移り住み、百姓のいでたちで周馬と実の娘を育てるが、育ての父が病に倒れたある夜、押し入った賊に父は斬り殺され、妹は連れ去られてしまう。周馬は現場に残された煙草入れを手がかりに、賊の仕業と見て仇討ちを誓った。

そのころ周馬は土地の富農の家に引き取られており、跡継ぎの元服祝いの夜、その屋敷にも大盗賊の一味が押し入る。落雷で手下の多くが命を落とす中、周馬は生き残った賊を捕らえ、あわせて屋敷を騒がせていた正体不明の獣まで取り押さえて土地の評判になった。この働きを認められた周馬は、越後にいるという伯父を頼り、妹と賊の行方を追うため、15歳で恩人の家を離れて旅に出る。

長い歳月をかけても妹と伯父の行方はつかめないまま、周馬はいつしか自来也と呼ばれる大盗になっていた。江戸近郊に隠れ家を構えた自来也は、以前に恩を売った土地の顔役に正体を見抜かれてもかえって庇われ、旅先では偽の商人に化けた一味から老人と娘の一行を守るなど、弱い者に力を貸す働きを重ねる。かつて養い育てた武家の子が、実の父母を旅先で失っていたことを知って敵討ちを志す筋も語られている。

自来也はある争いで手傷を負うが、かつての師である毛利宗意軒に助けられ、仲間の天竺徳兵衛や松江とともに九州の山中で傷を癒す。折しも切支丹への締め付けが強まり、外国船の来航も禁じられようとする中、天竺徳兵衛は国の外に新たな道を求めようと持ちかけ、師もこれに賛同する。自来也は松江とともに呂宋へ渡って日本人の村を築き、天竺徳兵衛は安南へ、師は国内に身を隠すことになった。

本の章立て

39

『講談名作文庫』(講談社)の本文に出てくる見出しを、本の並びのまま挙げています。この巻の章は、話の中の場面を指しています。筋はここには書いていません。印の付いたものは、文字の読み取りに確信が持てなかった題です。

  1. 亡き父の遺志を果たせよ
  2. なにっ、畑作が殺されたとっ
  3. ようこそお泥棒さまご入来
  4. 胸元に種子島の短筒ピタリ
  5. 奥義の一巻はがまの妖術
  6. 自来也という名の怪盗
  7. 永の別れになろうとは
  8. おおっ、べっとり血糊だ
  9. 荒れ狂う大猪をただ一打ち
  10. アッという間に龕燈返し
  11. さては自来也が助けてくれたか
  12. 意外や、わが妻は若殿のご愛妾
  13. ご無念、必ずお晴らし申します
  14. ありがたやかたじけなや長兵衛殿
  15. ご息女は、てまえがちょうだいいたす
  16. 親の敵、覚悟しろっ
  17. びっくりぎょうてん、これが妖術か
  18. にせ松平長七郎まかり通る
  19. 山賊海賊、大同団結
  20. こりゃあすげえ生き弁天さまだ
  21. うむ、よく白状いたした
  22. つぼから湧き出る金銀小判
  23. ひやーっ、女天狗だーっ
  24. 大鷲一羽、中空より来る
  25. おなじみ「雪三郎七変化」
  26. あわや、あめ売り娘素っ裸
  27. 五十両、耳をそろえて返してくれ
  28. あれは自来也という大賊だ
  29. おめえの命、おれが預かった
  30. あっ兄さん、これ義妹
  31. 盗人初陣の一番手柄
  32. 占いは凶と出た大津波
  33. さか巻く怒濤へ真っ逆さま
  34. 自来也、天竺徳兵衛に出会う
  35. 命ばかりは、おた、お助けを*
  36. だんな追い出し、めかけをだまし
  37. 尾形さま、お願いでございます
  38. 陣中に怪しき紅蓮の炎
  39. ここで死んでは犬死にだ

成立と背景

主人公自来也は、熊坂長範・袴垂保輔・石川五右衛門と並ぶ日本の四大盗賊の一人として位置づけられている。

物語終盤は寛永16年の切支丹弾圧と鎖国強化を背景としており、ポルトガル船の来航が禁じられる時期が具体的な日付とともに語られる。

この演目を調べる・聴く

講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談名作文庫(真田幸村・水戸黄門・大岡政談・柳生旅日記・赤穂義士銘々伝・太閤記・鼠小僧次郎吉・いれずみ奉行・弥次喜多道中記・寛永三馬術・清水次郎長・塚原卜伝・大久保彦左衛門・雷電為右衛門・左甚五郎・幡随院長兵衛・田宮坊太郎・国定忠治・一休和尚漫遊記・伊達騒動・天保六花撰・快傑自来也・由井正雪・荒木又右衛門)講談社 編講談社1976年(電子版 2013〜2014年)

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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