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伊達騒動だてそうどう
仙台伊達家で、後見の伊達兵部少輔と重臣原田甲斐が幼い当主の家督を奪おうと企て、対立した重臣伊達安芸の訴えにより公儀の裁きに至る、お家騒動の顛末。
連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は御記録物(大名家に伝わる記録や御家騒動。金襖物ともいう。)
あらすじ
伊達政宗の三男である伊達兵部少輔宗勝は、一の関で3万石を与えられていたが、本家を継いだ兄忠宗の跡を幼い綱宗が継ぐと、この機に乗じて本家の実権を奪おうと考えた。その企てにあたり、宗勝は本家の江戸詰奉行原田甲斐を語らって手を組む。あわせて、大老酒井雅楽頭の娘万手姫が縁組みの行き違いから宗勝の嫡男市正に嫁いだことで、伊達家分家は大老家と姻戚関係を結ぶことになった。
本家当主となった綱宗は吉原通いなどの放蕩を重ね、これをいさめようとした重臣白河主殿は、弟主馬を刺し殺したうえで自らも切腹して主君を諭した。綱宗は一時改心するが長くは続かず、やがて公儀へ乱心の由が伝えられ、逼塞ののち隠居を命じられる。跡を継いだ幼い亀千代の後見には、伊達兵部少輔と田村隠岐守が付けられた。
実権を握った兵部少輔と原田甲斐は、亀千代の毒殺を企て、料理人らを金で抱き込んで毒を盛らせようとした。同じころ、亀千代の身辺から呪いの品が見つかったとして詮議が起こり、忠臣松前鉄之助に疑いが向けられる一幕もあった。毒を運ぶ役を引き受けた膳部係塩沢丹三郎は、年老いた母と幼い弟の言葉に触れて我が身の企てを悔い、心を痛める。
重臣伊達安芸は、兵部少輔・原田甲斐による不正な取り立てや所領の扱いを公儀に訴え出た。評定所での対決を経て、水戸中納言光圀の意見により、罪はもっぱら後見の兵部少輔・田村隠岐守にあるとされ、伊達家本体の所領は保たれた。兵部少輔は土佐へ流されて配所で没し、原田甲斐の一族は死罪または病没となり、忠義を尽くした松前鉄之助や浅岡の局は厚遇された。
本の章立て
46章『講談名作文庫』(講談社)の本文に出てくる見出しを、本の並びのまま挙げています。この巻の章は、話の中の場面を指しています。筋はここには書いていません。印の付いたものは、文字の読み取りに確信が持てなかった題です。
- 姫君も一目惚れする若侍
- 万手は縁談をきらいおる
- 同じ市正でもとんだ人違い
- 昨日にかわる今日の睦まじさ
- 原田甲斐へ生首の音物
- 綱宗公の乱行、吉原通い
- 罪跡くらます甲斐の手口
- 重三郎、闇討ちの手筈
- れっきとした証拠はこの履物
- 身請け金が大枚金一万両
- 高尾あわれや吊し斬り
- わが事なれりとほくそえむ
- 諫死の道づれに実弟を刺す
- 男の寝間に忍びこむ美女
- 毒薬を調合せよとの強談
- 首尾よくなしとげたる上は千石
- 若君のお命は風前の灯
- 小柄を膝頭にブツリッ
- 血痕は廊下づたいに庭先へ
- 仕掛けたり呪文の古歌
- 鉄之助に謹慎申しつける
- 怪しき人影からピカリピカリ
- 曲者を取り押さえ申した
- 仙台へ注進に証拠のお墨付き
- ひょんな所へ水戸光圀公
- 光圀公、隠密を江戸へ上らす
- 絞め殺して金盗る気か
- 横車が通ってまたも横車
- 烙印らしきものは見えぬぞ
- やんぬるかな、出訴の決意
- 老中の情けある言葉に男泣き
- 伊達安芸いよいよ出府
- ご隠居さまの偽筆をいたしたな
- 覆面黒装束の正体は?
- ご大老さまのご内命と申してござる
- むじな眷族の緊急密議
- 雪村の軸が取りもつ合縁奇縁
- 政道の大本は誠の一字じゃ
- いずれおとらぬ弁舌の応酬
- 力士上がりがなんの証人ぞ
- 理を曲となす巧みな佞弁
- なぜ引き毛の印形を用いぬ
- さすがの甲斐も天命を知る
- 意外や内膳正に上使の役
- 大老邸を血汐に染めた刃傷
- めぐり来る伊達家の春
成立と背景
歌舞伎「先代萩」の実説として語られている。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談名作文庫(真田幸村・水戸黄門・大岡政談・柳生旅日記・赤穂義士銘々伝・太閤記・鼠小僧次郎吉・いれずみ奉行・弥次喜多道中記・寛永三馬術・清水次郎長・塚原卜伝・大久保彦左衛門・雷電為右衛門・左甚五郎・幡随院長兵衛・田宮坊太郎・国定忠治・一休和尚漫遊記・伊達騒動・天保六花撰・快傑自来也・由井正雪・荒木又右衛門)』講談社 編、講談社、1976年(電子版 2013〜2014年)
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

