落語の演目

藪入りやぶいり

人情噺長屋奉公人母親親子奉公

奉公に出ていた息子が藪入りで一日だけ実家に帰ってくるのを心待ちにする父親の姿を描いた人情噺。

あらすじ

年に二度しかない藪入りの日を控え、父親は寝床に入っても、帰ってくる息子をどこに連れて行こうか、何を食べさせようかと考え続けて一睡もできない。時間の流れがいつもより遅く感じられ、つい愚痴がこぼれる。翌朝は早くから起き出し、慣れない家の掃除までして息子の帰りを待ち構える。

帰ってきた息子は玄関先できちんとした挨拶をするほどしっかりした様子を見せ、父親は恥ずかしさと感激で息子の顔をまともに見られない。息子を風呂に行かせている間に、母親が持ち物を確かめると、五円の札が三枚しまわれているのに気づく。よからぬことをしたのではと疑った父親は、帰ってきた息子を思わず叩いてしまう。

泣き出す息子を母親がなだめながら事情を尋ねると、奉公先の店でネズミが出るたびに捕まえては交番に届けていたところ、その懸賞金として店の主人から預かっていた分をもらってきたのだと分かる。事情を聞いた父親は、これからも主人を大切にするようにと言い聞かせる。

父親は「みんなチュウ(忠)のおかげだ」と答え、ネズミの鳴き声と忠義の「忠」をかけて締めくくる。

演じ方の違い

同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 古典・新作 落語事典瀧口雅仁丸善出版2016年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ