高田馬場たかたのばば
仇討ちの見物客を当て込んで一芝居打つ侍の企みが、あとになって明かされる春の滑稽噺。
あらすじ
浅草の境内で姉弟が薬売りの口上を披露していると、居合わせた六十過ぎの侍がそれを聞いて、二十年前の古傷にも効くかとたずねてくる。侍はそれに続けて、自分の過去にあったといういきさつを語り始め、周りの注目を集める。
その話を聞いた薬売りが血相を変え、この侍こそ親の仇だと言い出す。あたりは騒然となるが、侍は寺の境内で騒ぎを起こすのはよくないと、翌日、高田馬場で決着をつけようと約束して、その場は一旦別れることになる。
翌日、高田馬場には仇討ちを見物しようという人が大勢集まり、あたり一帯は黒山の人だかりとなって、近くの茶店も大繁盛する。ところが約束の刻限を過ぎても仇討ちは始まらず、それどころか当の侍が酒を飲んでいる。
仇討ちはどうなったのかとたずねると、侍は今日はやめにしたと言い、実はあの二人は自分の子どもたちなのだと明かす。なぜそんな嘘をついたのかと問われた侍は、こうしておけば人出でにぎわい、茶店がもうかったその分け前をもらって暮らしているのだと答える。
「その上がりの二割をもらって、楽に暮らしておるのだ」と侍が明かす。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

