寿司屋水滸伝すしやすいこでん
洋食育ちの店主が営む寿司屋で次々に専門の職人が加わるが人件費がかさんで立ち行かなくなり、店主は念願だった洋食屋を新たに始める新作の滑稽噺。
あらすじ
店主はもともと洋食の技術を身につけた人物で、店の作りは江戸前の寿司屋とは言いがたかった。腕のよい最後の職人が辞めてしまうことになり、これからは自分一人で店を続けると腹を決める。ところが客からトロを頼まれると手先が震えてうまく握れず、刺身も切り方が粗くなり、昼間に用意していた炒飯を酢飯代わりに使ってしのぐ有様だった。
そこへ一人の男が現れ、自らトロ切りの正と名乗ってトロの刺身をさばいてみせるが、イカだけは扱えない。次にイカ切りの鉄という男が加わるもののウニには手が出せず、続けてウニ盛りの安が入る。さらにシャコ、イクラ、穴子、卵焼きを受け持つ職人までもが次々と加わり、人件費だけがふくらんで寿司屋の経営は成り立たなくなっていった。
店主はやむなく寿司屋をたたみ、かねてからの望みだった洋食屋を一人で始める。あるときカツカレーを頼んだ客が、揚げ方が生ぬるく肉の味もしないと文句をつけ、受けた痛手への償いを寄越せとすごんでくる。何者かと尋ねると、客はトンカツの秀という名を名乗ってきた。
客は「俺はトンカツの秀だ」と名乗り、店主は「道理でカツ揚げがうまいわけだ」と返す地口で結ぶ。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

