宗漢そうかん
貧しい医者が女房を供の男に仕立てて往診に出かけ、宿での一夜を経て正体がばれかける滑稽噺。
あらすじ
ある村の医者は、金のない患者でも診てやるので村人からの人望はあるが、暮らしは貧しく弟子を置くこともできず、女房と二人だけで生活をしている。ある日、山向こうにある大きな店から、そこの娘が病に臥せっているので診てほしいという使いが訪ねてくる。
往診には薬箱を持たせる供の者が必要だが、貧しい医者には人手がない。世間体を考えた末、女房に男の身なりをさせて同行させることを思いつき、決して口をきかないようによく言い聞かせる。ところが急いで支度をしたせいで、医者自身は身につけるはずの下ばきを忘れたまま出かけてしまう。
診察をすると大した病ではなく、食事をふるまわれるうちに雨が降り出し、その家に泊まることになる。客用の布団が洗濯中だったため、医者は家の息子と、供に扮した女房は下男と、それぞれ別の部屋で休むことになり、女房は正体を明かせないまま一晩まんじりともできずに過ごす。
翌朝早く、宗漢夫妻はそそくさと出立する。見送った後の朝食の席で、店の息子が、先生は下ばきをしていなかったから相当に貧しいのだろうと話す。すると、供の者と同じ部屋で一晩を過ごした下男が、その話に思わぬ相づちを打つ。
下男は「そうかも知れねえ。お供には一物がなかった」と応じて締めくくる。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

