落語の演目

将軍の賽しょうぐんのさい

滑稽噺武士博奕言い立て江戸

別題: 大名の賽、賽の殿様

大名たちが夜な夜な城内でサイコロ賭博に興じるところへ将軍が現れ、家臣が機転でその場を切り抜ける噺。

あらすじ

黒船が江戸の沖に現れた頃、ある藩が寺という寺から釣鐘を取り上げて並べ、遠目には大砲のように見せかけたことがあった。鐘を取られては寺の勤めに差し支えるので早く返してほしいという声が上がり、鐘を取られると寺がつぶれてしまうという言い回しがしばらく人々の間で語られていた。

世の中が太平で暇を持て余した大名たちの中には、昼間は人目をはばかっても、夜になるとサイコロを持ち出して城内でこっそり賭け事に興じる者も現れるようになる。そうした噂を耳にした将軍が、末頼もしい者たちだから見届けてやろうと、賭場になっている部屋にみずから足を運ぶ。

賭け事に夢中な大名たちは将軍の来訪に気づかず、転がってきたサイコロを拾い上げた将軍からこれは何かと尋ねられる。その場にいた家臣が機転を利かせ、サイコロの目の数を天下の仕組みや家柄になぞらえて次々に説明していく。

家臣は目の数ごとに、徳川家に代々仕える家柄や、御三卿、ご老中の数、諸大名の家柄などをこじつけて次々に答えていく。ところが目の数の説明にある藩の名前だけが出てこないことに将軍が気づいて問いただすと、家臣は冒頭の釣鐘の一件を踏まえ、その藩の名を挙げると寺がつぶれてしまうからだと理由を述べる。

将軍が「なぜ水戸を入れぬ」と尋ねると、家臣は「水戸を入れますと寺がつぶれます」と答えてサゲる。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 古典・新作 落語事典瀧口雅仁丸善出版2016年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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