阿武松おうのまつ
大飯食いを理由に相撲部屋を追い出された男が、死を覚悟して腹一杯食べた先で運が開け、後に横綱にまで出世する。
あらすじ
地方から江戸に出てきた男が相撲部屋に弟子入りし、四股名をもらって修業を始める。ところが大食いを理由に、金を渡されて故郷へ帰るよう言い渡されてしまう。
男は死を覚悟し、持たされた金を最後に使い切ろうと旅籠に泊まり、好きなだけ食べさせてほしいと申し出る。その食べっぷりに驚いた宿の主人が事情を尋ねる。
感心した主人は男に食事を用立てたうえ、別の相撲部屋を紹介する。その部屋の親方も男の体格をひと目見て入門を許し、新しい四股名を与える。
その後、男は出世を重ね、以前の師匠との取り組みが大名の目にとまったことをきっかけに改名し、横綱の地位にまで上りつめる。
講釈から伝わった出世噺であり、この噺自体にサゲはない。
ほかの芸能でも演じられます
この演目は講談でも演じられています。同じ題材でも、 芸能によって筋の運びや読みどころが変わります。
- 講談「阿武松緑之助」
大飯食らいのために相撲部屋を出された若者が、大食を認めてくれる親方に拾われ、横綱にまで上る一席。
落語では『阿武松』の題で同じ内容が演じられる。講談ではこのあと、女房のおよしが男と密通して出奔し、のちに女乞食となって再会するが大金を恵んで離縁するという場や、め組の頭と大喧嘩をしてのちに仲直りし義兄弟になるという件まで演じられることがある。(講談事典)
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

