星野屋ほしのや
妾奉公の女の本心を試そうと心中を装った旦那の企みが、女とその母親の抜け目なさによって裏をかかれてしまう滑稽噺。
あらすじ
星野屋を営む平蔵は、囲っているお花のもとへやって来て、商売が傾いてもう生きていられないと言い、手切れの金として五十両を渡す。さらに自分のことを思ってくれるなら一緒に死んでほしいと頼まれ、断りきれないお花はその金を母親に預け、深夜の鐘を合図に二人で川へ向かう約束をする。
当日、お花は先に川へ飛び込んだ平蔵を残したまま、家に戻ってきてしまう。しばらくして、二人の仲を取り持った重吉がやって来て、平蔵の幽霊があらわれて、薄情な仕打ちをしたお花を祟ると言い出したと告げる。驚いたお花から事の次第を聞いた重吉は、髪を切って生涯連れ添う夫を持たないと誓えば平蔵も浮かばれるだろうと勧め、お花は切った髪を渡す。
そこへ平蔵本人が現れ、実はお花の本心を試すための企みだったと明かす。川に飛び込んでも下には舟を用意しておいたので死ぬことはなく、正式な妻として迎えるつもりだったのに、薄情なばかりに髪までなくしてしまったなと得意げに語る。ところがお花は、そんな髪ならいくらでもくれてやると、いっこうに動じない。
さらに重吉が、先ほど渡した金は贋金だから使えばすぐに捕まると告げると、お花はその金を投げ出す。もし贋金なら先に捕まるのは平蔵の方だと言い返され、どちらの言い分が正しいのか分からなくなってしまう。
本当の金だとわかって悔しがる娘に対し、母親は「そうだろうと思ったから、三枚くすねておいた」と涼しい顔で答える。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

