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講談の演目

万両婿まんりょうむこ

お裁き物一席物裁き出世商人名奉行江戸

別題: 小間物屋政談

箱根で行き倒れの同業者若狭屋甚兵衛を助けた小間物屋小四郎が、身元を取り違えられて死んだことにされ、大岡越前の裁きで別人として大店に婿入りする話。

一席物(一話で完結する話)。系統はお裁き物(奉行の裁きを読む。政談ともいう。)

あらすじ

江戸京橋五郎兵衛町の小間物屋相生屋小四郎は、上方への商用の途中、箱根の山中で盗賊に身ぐるみをはがされた芝神谷町の小間物屋若狭屋甚兵衛を助け、自分の着物と一両、住所と名前を記した紙を渡して別れる。若狭屋は江戸へ戻る道中、小田原で病死する。

若狭屋が小四郎の着物を着て名前を記した紙を持っていたことから、死んだのは小四郎自身だと勘違いされる。一人残された小四郎の妻おときは、いとこの三五郎と夫婦になる。事情を知らぬまま江戸に帰った小四郎に周囲は驚くが、おときは三五郎の方がよいと言い張り、怒った小四郎は奉行所に訴え出る。

この一件の裁きを行った大岡越前守は、小四郎に対し、自分はいったん死んだものと思い、これからは若狭屋甚兵衛として生きるようにと申し渡す。小四郎はその言葉どおりに若狭屋家へ婿入りし、三万両の身代を受け継ぐことになる。

成立と背景

別題は落語の『小間物屋政談』。人間国宝一龍斎貞水の呼びかけで始まった文化庁補助事業「伝承の会」を通じて、神田松之丞は二〇一八年九月頃から宝井琴調にこの演目の稽古を受けた。松之丞は講談よりも先に、五代目三遊亭圓楽が演じた落語の『小間物屋政談』を聴いて関心を持ったといい、桂歌丸も国立演芸場でこの話を演じたことがあるという。

この演目を調べる・聴く

講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談入門神田松之丞/編・文 長井好弘/写真 橘蓮二河出書房新社2018年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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