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講談の演目

一休和尚漫遊記いっきゅうおしょうまんゆうき

僧侶物連続物修行化け物変装伝説

後小松帝の寵愛を受けた母のもとに生まれた一休は、幼くして大徳寺に入って修行を積み、数々の頓智で師をやり込めながら晩年まで諸国を巡り歩いた。

連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は僧侶物(僧の話。)

あらすじ

一休は後小松帝の寵愛を受けた藤の侍従を母として生まれ、幼名を千菊丸といった。物覚えがよく、守り役の局をとっさの機知でやり込めるほどであったが、母が南朝方に連なる出自であったこともあり、千菊丸自身が宮中にとどまる身の危うさを察するようになる。大徳寺で養叟禅師に会ったことをきっかけに仏門へ入る決心を固め、入門後は周建、のち宗純と名を改めた。灯明を口で吹き消したことを師にとがめられると、翌日は経を唱える向きを変えて言い返すなど、教えの筋を逆手に取る受け答えで周囲を驚かせている。

9歳での剃髪の際には、作法どおりの礼を述べる代わりに、この世を仮の宿とみてどのような艱難も受け流すという歌を詠み、以来一休の名で呼ばれるようになったという。師が老齢を理由に隠れて魚を口にしているのを見つけると、同じ理屈で寺の池の鯉を仲間に振る舞い、死んだ小鳥のために滑稽な引導を渡して駄賃の菓子を平らげるなど、教えの矛盾を突く悪戯を重ねながら大徳寺で育っていった。

成長したのちは諸国を巡り歩き、関所を通ろうとした将軍の刀を規則を盾に取り上げて感心され、正月には髑髏を竹竿に掲げて商家を回るなど、常識を裏返す振る舞いで知られていく。粗末な身なりのまま旅籠に泊まって軽んじられても意に介さず、のちに正体が知れて周囲が慌てふためく話や、預かった金をだまし取ろうとした宿の主人を言葉だけで白状させた話、他の高僧と歌で禅の問答を戦わせて言い負かした話などが伝えられている。

晩年、長く供をした新左衛門を看取った一休は、亡くなる数日前に自らその日を言い当て、嘆くよりも歌い踊って見送ってほしいと周囲に告げている。かねて頼んでいた木像が届くとこれを喜び、自らの髪を剃って像に植えるという儀式まで行っている。臨終に際しては朝廷からの使者を迎え、紫の雲も花も降らないが死にたくないというのが本心だと述べて、88歳で息を引き取った。

本の章立て

44

『講談名作文庫』(講談社)の本文に出てくる見出しを、本の並びのまま挙げています。この巻の章は、話の中の場面を指しています。筋はここには書いていません。印の付いたものは、文字の読み取りに確信が持てなかった題です。

  1. 利口だが悪戯者の小坊主
  2. 引導のお礼にあんころ餅
  3. おやっ、魚の匂い!くんくん
  4. お詫びのため毒を食べる
  5. 腹の子は男でなければ女だ
  6. 経典の中に、法の字がいくつ
  7. 人間の咽喉は鎌倉街道
  8. 世に尊きは人の命なり
  9. みなぬかの法事の精進料理
  10. 人が死ねばお寺の儲け
  11. 門松は冥途の旅の一里塚
  12. 風なき時はーーあかんべい
  13. 底抜け駕籠で念仏行列
  14. 世界一杯をおおう阿弥陀笠
  15. 法螺貝がこわれたか
  16. 木賃宿に泊まった一休禅師
  17. それ、五十貫預けた証拠
  18. こりゃあ念仏入りの詫証文
  19. 法然犬と日蓮犬の喧嘩
  20. 十万億土へ旅立った父親
  21. 死出の旅路に夜昼はなし
  22. 禅師さま、字が読めますか
  23. 型破り引導に家人の怒り
  24. 世の中は鍋の月代石の髭
  25. 住めば都というけれど
  26. 彫刻代がわずか一千貫
  27. 巾着切りを改心させた狂歌
  28. 神通力も放屁一発で消散
  29. 一休の筆で書いた讃なり
  30. ふんだんにあるのは水だ
  31. 弥陀の浄土へ案内してやる
  32. 色香に狂う跡取り息子
  33. 尚柏、敵討ちをしてやった*
  34. 地獄太夫へ角盥のおしえ
  35. この家から葬式千口
  36. 一万貫と引き換えに天下の珍宝
  37. ご遠慮なくお手討ちを
  38. 「いろはにほへと」の珍引導
  39. 食わすまではここ動かぬ
  40. の下に・ころり、ぐ-つぐ-っ*
  41. けったいな坊さんやなあ
  42. 砂金や棒金がざっくざっく
  43. 謎をふくめた禅師の手紙
  44. 死にとうないが誠でござる

成立と背景

一休の伝記には諸説があり、書物によって内容が食い違うため、本書は比較的よく知られた説をもとに構成したと断っている。

生没年は応永元年から文明13年11月21日、行年88歳としている。

読み方の違い

同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。

この演目を調べる・聴く

講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談名作文庫(真田幸村・水戸黄門・大岡政談・柳生旅日記・赤穂義士銘々伝・太閤記・鼠小僧次郎吉・いれずみ奉行・弥次喜多道中記・寛永三馬術・清水次郎長・塚原卜伝・大久保彦左衛門・雷電為右衛門・左甚五郎・幡随院長兵衛・田宮坊太郎・国定忠治・一休和尚漫遊記・伊達騒動・天保六花撰・快傑自来也・由井正雪・荒木又右衛門)講談社 編講談社1976年(電子版 2013〜2014年)

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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