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講談の演目

古市十人斬りふるいちじゅうにんぎり

世話物連続物殺し敵討ち身分違い剣術上方歌舞伎

別題: 油屋おこん、伊勢音頭、福岡貢

妖刀村正が三代にわたって災いをもたらし、伊勢古市の遊廓で福岡貢が大勢を斬るまでを読む連続物。

連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は世話物(町の人々の暮らしと事件を描く。白浪物・侠客物・三尺物などはこの中の分けかた。)

あらすじ

阿波徳島の蜂須賀家の家来・青江源五郎が、亡霊から妖刀村正を譲り受けたのを機に多くの家中を斬り、最後は発狂して自ら命を絶つ。青江家は断絶し、家の者は国払いとなる。息子の源三郎は大坂で剣術道場を開くが、父が斬った相手の子である海賊の頭に命を狙われ、妻を辱められたことを知って賊を斬り、勢いで役人まで殺めてしまう。

源三郎は妹のお峰に息子の貢を預け、武士ではなく町人として育てること、村正は成長したのちに処分することを言い残して自害する。貢は鳥羽の加藤家で育てられ、学問も武芸も身につけた美男に育つ。十五歳のとき、伊勢神宮の御師・福岡孫大夫に見込まれて娘みつの婿となる。

十八歳のとき、手代に誘われて古市一番の遊女屋・油屋へ行き、お紺という遊女と深い仲になる。貢が通いつめる一方、阿波の藍玉問屋を名のる喜多六という大尽もお紺目当てに通う。その正体は元海賊の頭だった。金を使い果たす貢を止めようと、お峰はお紺に一年待てば一緒にできると約束させ、お紺は貢に愛想尽かしの書き付けを渡す。

起請文を返しに油屋を訪れた貢は、お紺のそっけない態度と喜多六の罵りに血が上り、刀を抜いて店の者を次々に斬る。喜多六と番頭を斬り、最後にお紺を襲うが、手紙はお峰が書かせたものと知って悔いながらも命を奪う。奉行の追っ手に迫られた貢は腹を切る。命を取り留めた者は捕らえられ、村正は松坂の寺に納めて供養された。

成立と背景

歌舞伎『伊勢音頭恋寝刃』として知られる、伊勢古市の遊廓・油屋で実際に起こった事件を扱う。講談では、主人公の福岡貢の父と祖父から続く妖刀村正の因縁を描く長編として演じられる。連続物は「亡霊問答」「行人坂の血煙」「阿波徳島の決闘」「源五郎乱心」「源三郎剣術修行」「江の頭源右衛門」「源三郎切腹」「五郎正宗」「喜左衛門村正」「福岡貢と油屋お紺の馴初め」「福岡貢十人斬り」など、全12〜13席に分かれる。

この演目を調べる・聴く

講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談事典瀧口雅仁丸善出版2023年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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