雪てんゆきてん
別題: 雑俳、歌根問
隠居から俳諧の手ほどきを受けた八五郎が、思いつくままに詠んだ句をめぐるやり取りを描く滑稽噺。
あらすじ
隠居のもとを訪ねた八五郎は、隠居の趣味が俳諧の五七五を詠む遊びだと知り、以前に一度だけ挑戦した経験があると話す。隠居がいくつかのお題を出すと、八五郎は思いつくままに句を返していく。「舟底をガリガリかじる春の鮫」や「がま口を忘れて何も買少しな」など、お題の趣旨とは異なる句が続く。
初心者には発句が向いているとして、隠居が「初雪」というお題で「初雪や二の字二の字の下駄のあと」と手本を示すと、八五郎は「初雪やこれが塩なら金もうけ」「初雪やこれが砂糖なら金もうけ」と、金勘定に結びつけた句を続けて詠む。
そこへ隠居の俳諧仲間が、獣を詠み込んだ狂歌を持って訪ねてくる。狩人と鹿と熊を詠んだ句を見せると、俳諧の評価で上位にあたる「天」になりそうだと隠居が言う。それを聞いた八五郎も張り合うように、大きなイタチを詠み込んだ句をひとつ披露してみせる。
八五郎の詠んだ「大イタチ」の句に対し、隠居が「それなら貂(天)になるだろう」と、獣の貂と評価の天位をかけて返す。
演じ方の違い
同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。
- 前半で詠まれる句は演者によって内容が入れ替えられることがあります。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

