落語の演目

藁人形わらにんぎょう

滑稽噺怪談噺夏の噺長屋身売り

だまされて金を巻き上げられた願人坊主が、恨みを晴らそうと人知れず呪いの仕掛けを続けていたことが明らかになる噺。

あらすじ

糠問屋の娘が、好いた男と上方へ駆け落ちをしたが男に先立たれ、江戸へ戻ってみると両親も亡くなり店もなくなっていた。仕方なく宿場で女郎として働いていると、そこへ願人坊主が毎日のように訪ねてくるようになった。娘の顔が自分の亡き父親によく似ているという坊主に、娘はいくらかの金を渡しては念仏を唱えてもらっていた。

ある日、坊主が訪ねると、娘は上方の旦那に身請けされて店を持たせてもらえることになったが、支度金があと二十両足りないと打ち明けた。坊主は蓄えていた二十両をその場ですぐに渡し、娘は大喜びしてもてなしてくれた。

しばらくして風邪で寝込んだ坊主が久しぶりに訪ねると、娘は金を借りた覚えはないと言い放ち、坊主が金を持っていると知って皆で示し合わせて騙し取ったのだと打ち明けた。怒った坊主はつかみかかろうとするが、逆に店から追い出されてしまった。

それから二十日余りも家に閉じこもっていた坊主のもとへ、牢を出たばかりの甥が訪ねてくる。世話をすると言われた坊主は喜び、そばをご馳走すると言って出かけて行くが、火にかけてある鍋の中を覗かないようにと念を押す。甥が気になって鍋の蓋を開けてみると、煮え立つ油の中に藁人形が浮かんでいた。

見られたことを悟った坊主が力なく悔しがると、甥に理由を尋ねられ、「釘じゃ効かないんだ。相手は糠屋の娘だ」と明かす。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 古典・新作 落語事典瀧口雅仁丸善出版2016年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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