東北の宿とうほくのやど
近くにできた大型ホテルに客を奪われた温泉旅館が、その真似をしたもてなしで客を困らせる新作の滑稽噺。
あらすじ
山あいの一軒宿を老夫婦が営んでいるが、すぐ近くに大きな新式のホテルが建ってからというもの、めっきり客足が遠のいてしまった。困り果てた二人は、いっそそのホテルのやり方を真似てもてなしをしてみようということになる。
最終バスに乗り遅れた客がこの旅館に泊まることになる。案内された部屋では和食と洋食を選べると言われるが、実際は味付け海苔かスライスチーズか、箸か洋食器かという違いしかない。洋風の部屋というのも畳をはがしただけの部屋に、それらしい小物を並べているだけである。
客は仕方なくそのまま泊まることにし、温泉に入って旅の疲れを癒やしてから食事の間に向かうと、そこには立派な松茸ご飯と松茸の吸い物が用意されている。温泉の湯を使った特別な料理だと説明されるが、実は水源までの距離が遠いため、風呂の残り湯を使ったものだという。
がっかりした客は早々に休むことにし、翌朝は早起きをして始発近くのバスに乗って帰ろうとする。ところがチェックアウトの際、その日はあいにく日曜日でバスが運休だと告げられてしまい、結局もう一晩この宿に泊まる羽目になる。
バスの運休を知らされた客が「それじゃあもう一晩泊まらないといけない」とつぶやく。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

