竹の水仙たけのすいせん
宿代の代わりに竹細工を仕上げてみせた客の正体が、あとになって明かされる旅先の噺。
あらすじ
宿場のある宿屋に、何日も居続けて宿代を払わない客がいる。いつまでも払う気配がないので宿の女房が心配して亭主に催促させると、客は持ち合わせがないと言い、そのかわり庭の竹藪から良い竹を一本もらいたいと申し出る。
客は手ごろな竹を選んで切り出し、部屋に閉じこもって細工を始める。できあがった竹筒を差し出し、朝と晩に水を替えるようにと言いつける。翌朝、言われたとおりにしていた宿の主人が見ると、竹筒から水仙の花が一輪咲いていた。
通りがかった大名がその竹細工に目をとめ、これは名の知れた彫物師の作に違いないと言って、宿の主人を呼び出して買い取りたいと申し出る。主人が大金を受け取って帰ると、客はもっと高く売れる土地もあったのにと口にしたうえで、受け取った金をすべて主人に譲ってしまう。
主人は客に、これからも作ってもらえるようにと、宿場中の竹を買い占めておくので竹細工を頼みたいと願い出る。客はそれを聞き入れ、路銀にあてる分だけを残して残りの金はすべて主人に任せ、次の行き先へと旅立っていく。
決まった落ちの台詞はなく、竹細工を頼む宿の主人の願いで結ばれる。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

