三井の大黒みついのだいこく
京から江戸に来た男が大工の仕事ぶりを厳しく言い立てたことをきっかけに棟梁のもとで働くことになり、のちにその正体が知れる旅の滑稽噺。
あらすじ
京都から江戸へやって来た男が、神田近くの普請場で働く大工の身なりは良いが仕事は未熟だと言い立てたところ、大工に殴られてしまう。仲裁に入った棟梁がその男を引き取ることになるが、男は名前を尋ねられても思い出せないと答えたため、周りの若い衆から仮の名を付けられた。
翌日から仕事に出た男は、板を削るよう言われると、二枚の板を削って合わせ、剥がすことができないほどの腕前を見せて周囲を驚かせる。詫びを入れた棟梁が丁重にもてなすようになると、今度は一転してまったく仕事をしなくなってしまった。
棟梁が恵比寿大黒の彫り物を勧めると、男は以前ある商家から大黒の彫刻を頼まれていたことを思い出し、さっそく取りかかる。仕上がった大黒の出来栄えに棟梁が感心していると、その商家から使いの者が、名高い彫り物の職人から彫刻ができたと知らせを受けて迎えに来たと告げにやって来る。
棟梁は男の正体がその名高い彫り物師であったことにようやく気づき、あらかじめ約束されていた代金のうち残りの一部を使いから受け取る。使いの者から聞いた、別の職人が彫った像に添えられた歌にちなんで、男は仕上げた大黒の像に、その歌に応える下の句を書き添えた。
男は歌の下の句を大黒の像に書き添えて締めくくる。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

