寝床ねどこ
別題: 素人義太夫・素人浄瑠璃
義太夫の会を何とか開きたい旦那と、それを聞かされたくない店の者や長屋の住人たちとのやり取りを描く滑稽噺。
あらすじ
義太夫に凝っている大店の旦那が、いつも奇妙な声で語るので周りを困らせている。この日も一席聞かせようと人を集めさせるが誰も来ないので、店の者に代わりに聞かせようとする。すると番頭をはじめ次々に仮病を使って逃げ出すので、旦那は怒って長屋の住人を立ち退かせ、店の者には暇を出すと言い出す。
困った店の者が長屋を回って旦那の機嫌を伝えると、長屋の連中は旦那をおだてて義太夫の会に集まる。旦那が御簾の中で語っている間、集まった連中は飲み食いに励み、満腹になって横になって眠り込んでしまう。座敷が静かなのを自分の芸に聞き惚れたからだと思った旦那が御簾を上げると、みな寝入っているのでまた怒り出す。
そのうちに、どこからか泣き声が聞こえてくる。声の主は小僧で、旦那が何がそれほど悲しいのかと尋ねると、小僧は黙ったまま、旦那が義太夫を語っていたその場所を指で示す。旦那はその指の先を見て、小僧が何を指しているのか分からずに問い返す。
旦那が「あそこは私が義太夫を語っていた床ではないか」と言うと、小僧は「あそこが私の寝床でございます」と答える。
演じ方の違い
同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。
- 筋の展開には複数の型があり、通して演じる場合と、店の者が詫びに来る場面までで終える場合とがあるとされます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

