落語の演目

遥かなるたぬきうどんはるかなるたぬきうどん

滑稽噺新作落語そば・うどん商売死人

足立区のうどん屋の店主が、電話で注文を受けたうどんを届けるため、雪山の頂上で調理をしようとする話。

あらすじ

足立区にあるうどん屋の店主が、標高4478メートルの雪山の北壁にピッケルを打ち込みながら一歩ずつ登っている。店の常連客から電話で注文を受けたたぬきうどんを、どんな場所であってもなんとしても届けようとしているのだ。

やっとの思いで山頂にたどり着いた店主は、支店であることを示す幟を掲げ、その場でかつおだしをとり、ネギを刻んでうどんをつくり始める。使うのはいつもの店の丼で、山の名物になぞらえた薬味まで振りかけるという念の入れようだった。

注文をした客はそのうどんに舌鼓を打ち、凍傷で箸もろくに持てなくなっている店主のために一口分を残して食べさせる。店主はうどんのおいしさに涙ぐみながら、輝く空や雲や岩や雪を眺め、満ち足りた気持ちで客に先に下山するよう勧めた。

疲れ果てて眠り込みそうになる店主を、客が懸命に呼び覚まそうとした声が雪崩を引き起こし、二人はその雪崩に飲み込まれてしまう。残されたのは雪の中を滑り落ちていく丼と、山頂ではためき続ける幟の姿のみであった。その6年後、同じ北壁を登る一人の男の姿があった。

6年後、同じ北壁を登る男が現れ、それが亡くなった店主の意志を継いだ息子だったことが分かって終わる。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 古典・新作 落語事典瀧口雅仁丸善出版2016年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ