大師の杵だいしのきね
別題: 身代り杵
旅の僧に恋をした娘が、謎めいた品を手がかりに後を追いかけ、悲しい結末を迎える由来話。
あらすじ
若い旅の僧が、ある土地の名主の家に宿をとる。すると十七歳になる名主の娘の元気がなくなり、わけをたずねると僧に恋をしてしまったのだという。名主が僧に娘をもらってほしいと頼むが、修行の身なのでそれはできないと断られる。
娘に本当のことを言えない名主は、今夜化粧をして僧の寝床にそっと忍び込むようにと娘をけしかける。言われたとおり夜になって娘が忍び込むと、そこに僧の姿はなく、敷かれた布団の中には杵が一本、ぽつんと置かれているだけだった。
娘はこれを何かの合図だと考え、杵にかけて自分についてこいという意味だろうと僧のあとを追いかける。渡し場までたどり着くが、僧はすでに向こう岸へ渡ったあとだと聞かされ、悲しみのあまり川に身を投げてしまう。
胸騒ぎを覚えた僧が渡し場まで引き返すと、娘の亡骸を見つける。僧はその死を弔い、堂を建てる。のちにその堂をもとにして、今に伝わる大きな寺になったとされる。堂の中に安置されているという杵について、ある人が僧にたずねると、僧は洒落めかして答える。
杵の在り処をたずねられた僧が「それは臼(嘘)だ」と答える。
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

