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和久半太夫わくはんだゆう
父の仇を討った男が道場を開き、化け物退治で評判を上げて上杉家に仕え、吉良方として討ち入りに斃れる一席。
一席物(一話で完結する話)。系統は赤穂義士伝(赤穂浪士の討ち入りにまつわる話。本伝・銘々伝・外伝に分かれる。)
『赤穂義士伝』の一席(外伝)。
あらすじ
美作国津山の領主・森大内記の家臣で御納戸役の和久半十郎が、ある夜、何者かに斬り殺される。和久の家は改易となり、妻のおみさと息子の半次郎は江戸で暮らすことになる。細々と暮らすうち、おみさの働く橋本屋の番頭・徳右衛門が言い寄ってきて、自分はもとは松原徳右衛門という武士で、和久半十郎という者を殺めたことがあると話す。
おみさから聞いた半次郎は、徳右衛門を面影橋へ呼び寄せて仇を討つ。それまで人の来なかった半次郎の道場に入門者が押し寄せるようになる。
そのころ、四谷寺町に毎晩化け物が出ると噂が立つ。市ヶ谷谷町で東軍流の道場を開く室田文之進に、半次郎改め半太夫が他流試合を申し込むが、文之進は頑なに断る。ある夜、文之進は法源寺の前で化け物に襲われ、そのまま江戸から姿を消した。話を聞いた半太夫が法源寺の前へ出向いて化け物を退治すると、一匹の狐が死んでいた。
評判をさらに上げた半太夫は上杉家に召し抱えられる。やがて松の廊下の刃傷があり、赤穂浪士による復讐の噂が立つと、吉良家を守るために付き人となる。討ち入りの夜、武林唯七の手にかかって命を落とす。
成立と背景
赤穂義士伝の外伝のなかで、吉良側の人物を描く珍しい一席である。銘々伝の「富森助右衛門」にも登場するが、架空の人物とされる。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

