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新門辰五郎しんもんたつごろう
火事で父を亡くした少年が火消しになり、纏を焼かれた喧嘩の始末を単身でつけて名を上げる一代。
連続物(何席にもわたって続く長い話)。系統は侠客物(人入れ稼業・元締めの話。)
あらすじ
辰五郎の父は下谷掃除町の煙管屋の主人で、村田屋金兵衛といった。大きな店を構えていたが、自分の家から火を出して隣家へ燃え移らせてしまう。申し訳が立たないと店の土蔵を焼き、自らも非業の最期を遂げる。まだ子どもだった辰五郎は、火事で人が苦しまないようにと火消しになる決心をし、浅草誓願寺店の「を組」の頭・仁右衛門のもとへ行く。
二十五歳で纏持ちに出世したある日、火事場で下谷西町の立花家の八丁火消と消し口を争って喧嘩になり、辰五郎は相手の火消しと纏を火の中へ落としてしまう。火事のあと、単身で立花家へ乗り込むと、その度胸を認められて事は穏便に収まる。それまで横暴だった八丁火消はおとなしくなり、辰五郎の名は四十八組に知れ渡る。
辰五郎は浅草寺の掃除方となり、境内の見回りと取り締まりを務める。山門の新門を守る役に就いたことから、新門辰五郎の名で呼ばれるようになった。のちに売られた喧嘩で相手を殺めて人足寄場へ送られるが、兄弟分の盃を交わした侠客・小金井小次郎とともに、島内の火事の消火に尽くしたことから赦免される。
成立と背景
新門辰五郎(1800年〜1875年)は江戸末期の侠客で、十五代将軍徳川慶喜に重く用いられ、その身辺の警護にあたったことで知られる。講談にはほかに、女房のおぬいが、彼女に惚れていた同じ火消しの手で火の中に落とされて大やけどを負い、高価な薬が要ると聞いて辰五郎のもとから姿を消す『おぬいの義侠』という演目がある。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談事典』瀧口雅仁、丸善出版、2023年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

