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講談の演目

鉢の木はちのき

漫遊記一席物忠義忠臣

別題: 佐野源左衛門駆け付け

零落した武士佐野源左衛門常世が、雪の夜に一夜の宿を貸した旅の僧との約束どおり、鎌倉からの緊急の召集にいち早く駆け付け、恩賞を得る話。

一席物(一話で完結する話)。系統は漫遊記(諸国をめぐる話。)

あらすじ

大雪の降る日の夕暮れ、下野国佐野荘の外れに建つ荒れた家に、一人の旅の僧が立ち寄り、その晩の宿を頼む。あるじの佐野源左衛門尉常世は、なけなしの粟飯でもてなし、かつては相応の身分だったが今は落ちぶれた身の上だと語る。火を絶やすまいと、常世は大切にしていた松、梅、桜の三鉢の盆栽を薪の代わりに火にくべ、鎧となぎなたと馬だけは手放さずにおり、鎌倉から呼び出しがかかりしだい真っ先に馳せ参じ、命を懸けて戦う所存だと述べる。

翌春、鎌倉から緊急の召集がかかる。常世は古い鎧を身にまとい、痩せ馬にまたがって駆け付け、時の執権北条時頼の前に呼び出される。時頼は、あの雪の夜の旅の僧は自分であったと明かし、言葉どおりに駆け付けた常世を喜び、失った領地を返した上、松・梅・桜にちなむ三か所の領地を恩賞として与える。

成立と背景

謡曲『鉢木』を題材にした話である。二代目神田山陽が、松鯉を含む弟子たちにこの「佐野源左衛門駆け付け」の部分を教えたという。神田松之丞は「三方ヶ原軍記」の次にこの演目を教わった。

読んできた人

二代目神田山陽

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講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談入門神田松之丞/編・文 長井好弘/写真 橘蓮二河出書房新社2018年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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